(ブルームバーグ):来日中の米エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は15日夕方から夜にかけて秋葉原や神田を訪れた。時価総額世界一の企業のトップながら街ゆく人と話し、写真撮影にも応じるなど気さくな対応でまたたく間に人だかりができた。日本の底力をたたえる発言も目立ち、韓国など他国でも発揮している人心掌握術を垣間見せた。
「できたらいいね。たぶん今夜かな」。都内で開かれた自社イベントで記者からお気に入りと伝えられるラーメン店「九州じゃんがら」に今回も行くのかと問われたジェンスン氏は笑いながら答えた。
都内各地で35度以上が観測された猛烈な暑さにもかかわらずトレードマークの黒の革ジャン姿のジェンスン氏は記者団に対してユーモアも交えながら、AIの普及に向けて化学や素材などの基礎研究力や製造装置関連の技術などを持つ日本が果たせる役割を力説。日本の大手企業との提携発表についても予告した。
その後は秋葉原に移動してゲームメーカー、セガとのイベントに出席。セガは過去に経営危機の状況にあったエヌビディアを救った逸話でも知られ、律義な一面も見せた。夜は神田に移動して取引先の半導体関連企業のトップらと会食。「やきとん」がメーンの気取らない店だった。

関連株価の急激な上昇で懸念され始めているAIバブルについて記者団に問われたフアン氏はAI化は始まったばかりで、現在は需要が「信じられないぐらい強く」、バブルにはほど遠い状況だと否定したが、市場は必ずしもフアン氏の強気の見通しに完全に同調してはいないようだ。

エヌビディアの株価は5月中旬に上場来最高値を付けた後、下落傾向にあり足元ではピークから10%ほど低い水準となっている。韓国サムスン電子も好調な4-6月期決算を発表したにもかかわらずその後の株価は冴えない値動きで、AIや半導体バブル崩壊への市場の警戒感の強さを示した。日本企業として時価総額トップとなって話題を集めたキオクシアホールディングス株も6月の高値から約4割下落している。
神田のやきとん店での会食にはキオクシアHDのほか東京エレクトロンや信越化学工業、住友電気工業などの経営幹部の姿もあった。
(動画を追加して更新します)
もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.