(ブルームバーグ):米電気自動車(EV)メーカーのルーシッド・グループは、業績不振からの立て直しに向けて事業再建アドバイザーの支援を受けている。一方で、破産を検討しているとの臆測については「全くの誤りだ」と否定した。
事情に詳しい関係者によると、同社はコンサルティング会社アリックスパートナーズを起用し、事業全体を精査している。事業の最適化やコスト削減に加え、新たな中型車の投入を成功させることを目指しているという。関係者は匿名を条件に話した。
ルーシッドはブルームバーグ・ニュース宛ての声明で、アリックスパートナーズと協力していることを認めた。

同社は14日の声明で、「当社は来年中まで事業運営を継続できる十分な流動性を確保している」とした上で、現在は事業運営と執行力の改善に注力していると説明。「アリックスパートナーズはその支援のみを行っており、それ以外の役割は担っていない。また、経営陣や取締役会に対して破産申請を勧告した事実もない」とした。
ルーシッド株は一時57%下落し、取引時間中としては過去最大の下落率を記録した。その後は下げ幅を縮小し、米東部時間午後3時29分(日本時間15日午前4時29分)時点では13%安。株価変動が激しかったため、売買は複数回停止された。
同社株は13日終値時点で、年初来48%下落していた。
今回の動きは、ルーシッドの苦境が続いていることを改めて示すものとなった。同社は2021年に特別買収目的会社(SPAC)との約40億ドル(約6500億円)規模の合併を通じて上場して以来、一度も調整後ベースで利益を計上していない。3月31日時点では、リース債務を除く長期負債が約27億6000万ドル、現金保有額は約7億ドルだった。
ルーシッドはここ数週間で生産見通しを取り下げたほか、事業全体の見直しに着手し、大規模な人員削減も発表した。シルビオ・ナポリ最高経営責任者(CEO)が最近就任し、最高執行責任者(COO)の職を廃止したほか、新たな最高財務責任者(CFO)を採用するなど、経営体制の刷新を進めている。
同社は、トランプ政権による関税導入や、EV需要支援策の見直しを背景に、生産上の課題やサプライチェーンの混乱、コスト上昇に直面してきた。米国のEV販売が全般に減速していることも重なり、複数の自動車メーカーはバッテリーEV戦略を見直し、ガソリン車に投資を振り向けている。
ルーシッドは現在進めている再建策で成果が上がらなかった場合、さらに踏み込んだ対応を検討するかどうかは現時点では不明。同社は新型車投入に伴う事業運営資金を確保するため、筆頭株主であるサウジアラビア政府系ファンド、パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)の支援に依存してきた。
業界専門メディアの「EV」は14日、事情に詳しい匿名の関係者の話として、ルーシッドが株式非公開化や米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用申請を戦略上の選択肢として検討していると報じた。
ニーダムのアナリスト、クリス・ピアース氏はブルームバーグに対し、サウジからの支援が打ち切られれば、破産は「十分にあり得る」と述べた。一方で、「これまで支援は一貫して続いている」とも指摘した。ニーダムの試算では、ルーシッドは今後3年間で50億ドル超の追加資金を調達する必要がある。
原題:Lucid Shares Slide as EV Maker Hires Restructuring Adviser (3)(抜粋)
--取材協力:Kara Carlson.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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