米国は、イラクからシリアに原油を輸送するパイプライン計画について協議を進めている。ホルムズ海峡を迂回(うかい)するルートで、将来的にイランが世界のエネルギー供給に及ぼす影響力を弱める狙いがある。

事情に詳しい関係者によると、米国のシリア・イラク担当特使トーマス・バラック氏が、両国の政府当局者に加え、シェブロンなどの企業を交えた協議を主導している。

複数の新たなルートが検討されているものの、20年以上にわたり稼働停止となっているイラク北部のキルクークとシリア西部沿岸のバニヤスを結ぶパイプラインの復旧を中心に協議が進められているという。

米国務省当局者は、イラクとシリアによる両国間のパイプライン再建を通じた物流・交易ルートの強化を米政府が支援していることを認めた。また、建設には米企業が関与することを見込んでいると述べた。

これに先立ち、トランプ米大統領は14日、ホワイトハウスでイラクのザイディ首相と会談し、新たに石油分野で「大規模な」提携を今週または来週にも発表すると述べた。

ここ1週間に中東情勢が再び緊迫したことで、ホルムズ海峡に代わる長期的な輸送ルートの必要性が改めて浮き彫りになった。同海峡はイラン戦争が始まって以降、大半の期間において実質封鎖が続いており、エネルギー供給に大きな混乱が生じ、中東地域の経済にも打撃を与えている。

アラブ首長国連邦(UAE)やサウジアラビアは過去に建設したパイプラインを利用して原油輸送の一部をホルムズ海峡経由から切り替えることで、一定の成功を収めており、イラクやクウェートなども、自国で再現できるかどうか検討している。

原題:US Backs Iraq-Syria Oil Pipeline to Weaken Iran’s Hormuz Hold(抜粋)

--取材協力:Selcan Hacaoglu、Francois de Beaupuy、Ania Nussbaum、Eric Martin.

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