中国が10年がかり進めてきた半導体中核企業の育成は、メモリー大手の長鑫存儲技術(CXMT)による過去最大級の新規株式公開(IPO)という正念場に入った。

CXMTは上海証券取引所のハイテク企業向け市場「科創板(STAR)」への上場に向け、公開価格を1株当たり8.66元に設定した。14日に届出書で明らかにした。公募株式数は66億9000万株で、オーバーアロットメントのオプション行使分を含めると76億9000万株となる。投資家による申し込みは16日に始まる。最大規模となれば調達額は666億元(約1兆6000億円)に達し、従来予想していた額のおよそ2倍となる。

世界の技術覇権を狙う米中にとって、半導体は主要な戦場となっており、AIの構築を進める上でメモリーは特に深刻なボトルネックとなっている。スマートフォンからAIサーバーまで、幅広く使われるDRAM(動的ランダムアクセスメモリー)のメーカーとして、CXMTは世界4位に浮上している。AIデータセンターに不可欠なHBM(広帯域メモリー)を含め、国外サプライヤーへの依存を減らしたい中国政府にとって、同社は切り札と位置付けられている。

プロセッサーが必要とする動的データ処理を支えるCXMTのDRAMは、中国メモリー半導体サプライチェーンの柱となりつつある。先端DRAM製品の生産能力拡大は、サムスン電子やSKハイニックスといった既存大手の価格戦略や、需給バランス、地政学的な影響力を塗り替える可能性もある。

その重要性を反映し、CXMTのIPOは中国史上2番目の大型案件となる見通しだ。上場が成功すれば、競合の長江存儲科技(YMTC)や、百度(バイドゥ)の半導体部門である昆侖芯など、IPOを控える企業にも弾みが付く可能性がある。また事情に詳しい関係者によると、中国AIスタートアップのDeepSeek(ディープシーク)は早ければ今年にもIPOを申請する可能性があり、中国AI業界は別の節目を迎える見通しだ。

原題:CXMT Seeks $9.8 Billion in Marquee IPO for China Chip Revolution(抜粋)

--取材協力:Mengchen Lu、Gao Yuan.

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