今週発表されるドイツの経済指標は、イラン戦争が経済に及ぼした影響を映し出す内容となり、欧州最大の経済大国の景気回復を目指す政府の新たな取り組みの行方を占う材料となる。

製造業受注、鉱工業生産、輸出の各統計は、かつて欧州経済の成長をけん引した同国の製造業が5月にどのような状況だったかを示す見通しだ。5月はイラン戦争が始まってから3カ月目で、紛争が1カ月を通じて続いた最後の月に当たる。

これらの統計が発表される中、メルツ首相は経済成長を重視する改革案を6日に閣議へ提出する。メルツ氏は2日、この改革によって「経済の停滞から脱却する」と述べた。

改革案では、有期雇用の規制緩和や退職金への税制優遇を通じて労働市場の柔軟性を高め、企業活動を後押しすることを狙う。さらに、行政手続きの簡素化や計画・許認可手続きの迅速化も、成長促進策として盛り込まれている。

こうした中、中東で停戦が維持され、原油価格も下落していることから、大規模な財政出動の効果を追い風に失地回復を図る好機が訪れている。メルツ氏は今年をドイツの「成長の年」と位置付けている。

ドイツ連邦銀行(中央銀行)は2026年の実質経済成長率を0.5%と予測している。実現すれば新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)以降で最高の伸びとなり、その後も「かなりの勢い」がつくと見込んでいる。ナーゲル総裁は、ドイツ経済にはさらに大きな成長余地があると強調している。

ナーゲル総裁は1日、ブルームバーグテレビジョンで「これらの数字は悪くないが、経済成長を本格的に押し上げるために、まだできることはある」と語った。

今週発表されるドイツの経済指標は、強弱入り交じる内容となる可能性がある。エコノミストは、6日発表の製造業受注は回復し、7日の鉱工業生産は横ばいになると予想している。一方、9日発表の輸出は1月以降で初めて減少する見通しだ。

10日には6月のインフレ率確報値が発表される。市場予想を下回った速報値の2.4%が確認されるかが焦点となる。

ブルームバーグ・エコノミクス(BE)の見方

総じてみると、ドイツの鉱工業活動は年後半にかけて緩やかに拡大する見込みだ。国防やインフラへの政府支出拡大が支えとなる一方、エネルギー価格の上昇や構造的課題が、より力強い回復を阻む可能性が高い。

-シモーナ・デッレキアイエ、デービッド・パウエル、マーティン・アデマー、セルバ・バハルバジキ、エカテリーナ・ブラソワ

このほか、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(6月16、17日開催分)、欧州中央銀行(ECB)議事要旨(6月開催分)、中国の消費者物価指数、ニュージーランド中銀の利上げ見通しなどが今週の主な注目材料となる。

米国では経済指標の発表が比較的少ない週となる。主な発表は、6日の米供給管理協会(ISM)非製造業景況指数、7日の貿易収支、9日の中古住宅販売件数となる。

市場の最大の関心は、ウォーシュ議長下で初めて開催されたFOMCの議事要旨だ。

投資家は、ウォーシュ議長が公約している米連邦準備制度理事会(FRB)の情報発信の見直しが、議事要旨にも及ぶかどうかに注目している。6月17日の政策金利決定後に公表された声明文は、従来より大幅に簡潔な内容となっていた。

8日に公表される議事要旨では、政策金利を巡る意見対立や、新設した複数のタスクフォースについて、どのような議論が交わされたのかが注目される。

前回会合後に公表された見通しでは、9人の当局者が年内に少なくとも0.25ポイントの利上げを1回実施すると予想していた。

原題:Germany’s Second Chance for Growth Rebound Starts Now: Eco Week(抜粋)

--取材協力:Beril Akman、Anthony Halpin、Francine Lacqua、Andrea Dudik、Irina Vilcu、Laura Dhillon Kane、Matthew Malinowski、Mark Evans、Monique Vanek、Piotr Skolimowski、Reade Pickert、ジェームズ・メーガ.

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