(ブルームバーグ):石油輸出国機構(OPEC)の原油生産は6月、米国とイランの和平に向けた暫定合意を受けてペルシャ湾岸諸国がホルムズ海峡経由の輸出を再開したことから、大幅に増加した。ブルームバーグの調査で分かった。
調査によると、増加はクウェート、サウジアラビア、イランが主導し、OPEC全体の原油生産量は日量1875万バレルとなった。ただ、生産量は戦争前の水準をなお大幅に下回っている。
ペルシャ湾岸の産油国は、イラン戦争初期に大部分が閉鎖されたホルムズ海峡を通じて原油を搬出する手段を、暫定合意前から見出していた。暫定合意以降は公然とホルムズ海峡を通航できるようになり、タンカー追跡データによると、サウジアラビアの出荷量は通常水準の90%に達している。
主要消費国である中国の燃料需要が引き続き低迷する中で生産が増えており、市場の一部では供給過剰が起きている。その結果、原油価格は戦争中の上昇分をすべて戻し、OPEC加盟国が顧客獲得競争を迫られる可能性も出てきた。
北海ブレント原油先物は3日、1バレル=72ドル近辺で取引されている。6月のOPEC生産量は、アラブ首長国連邦(UAE)の離脱を調整したベースでは、2月時点の水準を日量730万バレル、28%下回っていた。
UAEは5月にOPECを離脱し、ホルムズ海峡が完全に安定すれば、生産量を自由に増やせるようになった。イラクも、将来的に生産枠の拡大が認められなければ、OPECを脱退する可能性があるとしている。
調査によると、先月のOPEC加盟11カ国の中では、クウェートの増産幅が最大だった。クウェートの生産量はイラン戦争によって80%削減され、なお通常水準を大きく下回っている。
次いで増産幅が大きかったのはサウジアラビアで、さらにイランが続いた。ただ、イランは買い手を見つけるのに苦戦しており、海上のタンカーに大量の原油在庫を積み上げている。
ロシアなどを含むOPECプラスの主要加盟国は、8月の生産枠について協議するため、5日に月例のオンライン会議を開く予定だ。
7カ国から成るこの会議は、数年前に停止した生産を回復させるプロセスを継続するため、戦争中も小幅な増産を相次ぎ決定してきた。関係者2人は今週、8月も日量18万8000バレルの小幅な生産枠引き上げを予想していると述べた。
ブルームバーグの生産量調査は、船舶追跡データ、当局者からの情報に加え、ラピダン・エナジー・グループ、FGEネクサントECA、ケプラー、リスタッド・エナジーの推計に基づいている。
原題:OPEC Output Surged in June as Hormuz Flows Jumped, Survey Shows(抜粋)
--取材協力:Prejula Prem、Anthony Di Paola、Lucia Kassai、John Deane.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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