(ブルームバーグ):トランプ米大統領は3日、中西部サウスダコタ州のラシュモア山で開かれた米建国250周年の記念行事に出席し、歴代大統領の巨大な記念碑を背に演説した。11月の中間選挙を前に、自身の政治的立場の強化を図る狙いもにじませた。
7月4日の独立記念日に向けた祝賀行事の一環として開かれた今回の催しは、経済政策やイランとの戦争を巡る不安で国民心理が冷え込む中、歴代大統領と自身を重ね合わせ、政権への支持拡大を目指すトランプ氏の姿勢を改めて示す場となった。
トランプ氏は演説で、「今夜、私たちはこの美しい山に集まり、この節目を実現した4人の人物をはじめ、それを可能にした人々への感謝を表す」と述べ、「建国の父たちに敬意を表する」と語った。

演説会場のあるラシュモア山は、ジョージ・ワシントン、トーマス・ジェファソン、セオドア・ルーズベルト、エイブラハム・リンカーンの4人の歴代大統領の高さ約18mの巨大な彫像が岩肌に刻まれている。
トランプ氏は以前から、自身もいつかこれらの歴代大統領と同様に記念されたい考えを口にしてきた。第1次政権時には、当時サウスダコタ州知事だったノーム前国土安全保障長官が、そのようにたたえられることが「夢だ」とトランプ氏から打ち明けられたと明らかにしていた。
サウスダコタ州到着前には、カタールから寄贈された新しい大統領専用機「エアフォースワン」がラシュモア山上空を2度飛行したほか、大統領専用ヘリ「マリーンワン」も記念碑上空を飛行した。トランプ氏は到着後、共和党上院トップのスーン院内総務の出迎えを受けた。
トランプ氏は演説で、選挙制度に関する法案「米有権者資格保護(セーブ・アメリカ)法案」の可決を議会に求め、「愚かなことをしない限り、中間選挙に負けることはない」と述べた。
一方、建国250周年の祝賀行事は超党派で国民を結束させることが目的とされていたが、トランプ氏が党派的な政治課題や自己宣伝に利用しているとの批判も出ている。
今週にはノースダコタ州で行われたセオドア・ルーズベルト元大統領の記念図書館の式典で、自身の実績を同元大統領になぞらえた。また先週には、「グレート・アメリカン・ステート・フェア」の開幕イベントを選挙集会さながらの場として活用した。
ラシュモア山での演説では冷戦時代にも言及し、「共産主義の脅威に勝利してから1世代が過ぎたが、今では国内で共産主義の脅威が再び勢いを増している。わが国の価値観とは相いれない考え方を受け入れる新たな移民もいる」と述べ、政敵を批判した。
2025年には共和党のルナ下院議員が、トランプ氏の肖像をラシュモア山に追加するよう内務長官に求める法案を提出したが、審議は進んでいない。
トランプ氏は20年にも大統領選を数カ月後に控え、新型コロナウイルス禍の中でラシュモア山を訪れ、左派の過激主義を批判した。最近も同様の主張を繰り返しており、共和党が議会の多数派維持を目指す11月の中間選挙を意識した発言が続いている。
支持率が過去最低水準近くで推移する中、建国250周年の祝賀行事はトランプ氏にとって重要な政治イベントとなっている。首都ワシントンで開かれる7月4日の祝賀行事では世界最大の花火大会を実施するとしており、自ら演説する予定だ。今週末は猛暑が予想されているが、トランプ氏は計画に影響はないとの認識を示している。
原題:Trump Commemorates Fourth of July With Speech at Mount Rushmore(抜粋)
--取材協力:Jeff Mason.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.