世界的なアルミニウム生産会社の米アルコアは、オーストラリアの鉱業会社サウス32が豪州とブラジル、南アフリカに保有するボーキサイト(原料鉱石)とアルミナ(酸化アルミニウム)、アルミ資産を買収する。最大56億ドル(約9100億円)相当の取引で同社と合意に達した。

アルミの長期的需要が高まる中で行われる今回の買収により、アルコアはボーキサイト採掘からアルミナ生成、アルミ製錬に至るバリューチェーン(価値を生む事業活動の連鎖)の構成資産を新たに取得し、世界最大級のアルミ生産会社として基盤を強化する。

アルミ生産各社は、電気自動車(EV)、送電、再生可能エネルギー、梱包(こんぽう)・包装、航空宇宙分野における長期的需要増に備え、生産体制の強化に動いている。銅に比べ低コストで軽量なアルミは、送電網やデータセンター内の配電設備、冷却システムで重要性が高まっており、魅力的な銅の代用品となりつつある。

アルコアは資産ポートフォリオを拡充することで、エネルギー転換や人工知能(AI)ブームに伴う需要拡大への対応力を高め、供給混乱で激しい価格変動に見舞われるアルミナの生産も増強する。

同社の6月30日の発表によると、買収代金として現金31億ドルと同社の株式約10億ドル相当を充て、7億5000万ドル相当の純債務とリース負債も引き継ぐ。株主および規制・監督当局の承認を経て、 2027年上期に買収を完了する見込みだ。

今後4年でアルミナとアルミの価格が合意した基準値を上回った場合、サウス32はさらに7億5000万ドルを受け取る。モザンビークにある同社の稼働停止中の製錬所は戦略的見直しが引き続き行われており、買収対象に含まれない。

今回の合意は、6月30日の米株市場の取引終了後に発表された。7月1日のシドニー株式市場では、アルコアのオーストラリア預託証券(CDI)の価格が一時5.4%下落し、サウス32の株価は一時10%上昇した。

原題:Alcoa Bets on Aluminum Boom With $5.6 Billion South32 Deal (4)(抜粋)

(株価動向などを追加して更新します)

--取材協力:Wendy Wells、Jacob Lorinc.

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