(ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB)のウォーシュ議長は、FRBの新たなコミュニケーションに関する作業部会(タスクフォース)の共同議長に元イングランド銀行(英中央銀行)総裁のマービン・キング氏を起用した。
ウォーシュ議長は、FRBの対外コミュニケーションの方法を抜本的に見直す方針を掲げており、これには金融政策の見通しを当局者がどのように発信するかが含まれる。キング氏(78)をコミュニケーション作業部会の共同議長に起用することで、FRBの運営の在り方を外部有識者が検証する異例の機会が生まれる。
キング氏は2003-13年にイングランド銀行総裁を務め、2008-09年の世界金融危機時に同中銀を率いた。同氏は自身の事務所を通じて、作業部会の共同議長に就任することを認めたものの、それ以上のコメントは控えた。FRBの報道官もコメントを控えた。

ウォーシュ氏は1日、各作業部会に参加する外部有識者を来週にも発表する見通しだと明らかにした。メンバーにはFRB外だけでなく米国外の専門家も含まれるという。
ポルトガル・シントラで開催されている欧州中央銀行(ECB)の年次フォーラムのパネル討論で、「過去に私のような職務に就いていた人もいれば、この会場にいるような学界の人もいる。実務経験を持つ専門家の中から、経済学の分野で最も優れた人材を選ぶよう努めた」と述べた。
作業部会
ウォーシュ議長は5月の就任時、「レジームチェンジ(体制転換)」を掲げるとともに、FRBの情報発信の在り方を見直す考えを示した。同氏は連邦公開市場委員会(FOMC)会合後の記者会見を毎回開くかどうかについて明言しておらず、これまでもFRB当局者に講演の回数を減らすよう促してきた。
同氏は先月、FRBの運営改革に向けた提言をまとめるため、主要分野を検証する5つの作業部会を設置すると発表した。
作業部会では、対外コミュニケーション、バランスシート、FRBの「既存データソースの利用・依存」、生産性と雇用、当局の「インフレ枠組み」を検討対象とする。年末までに提言を取りまとめる予定で、外部有識者がFRB職員の支援を受けながら議論を進めると、6月の発表時に説明していた。
ウォーシュ氏はポルトガルで、「時には外国人の方が物事を客観的に見ることができる。こうした作業部会は結論をあらかじめ決めるためのものではない。少なくとも私はそうするつもりはない」と述べた。
同氏は当局者が将来の金利見通しを示す政策手法であるフォワードガイダンスに批判的な立場を取ってきた。先月には、政策当局者が四半期ごとに公表する金利見通し「ドットプロット」に、自身の予測を提出しなかった。
「少なくとも当面はドットプロットは残るだろう。しかし、それについても作業部会で検討する」と1日には話した。
ウォーシュ議長は中央銀行の情報発信の分析に携わってきた。2014年にはイングランド銀行の運営見直しを主導し、同行のコミュニケーション戦略の刷新などにつながった。
マービン・キング氏
キング氏はイングランド銀行の幹部を経て10年間にわたり総裁を務め、英中銀の情報発信改革を先導した。
同氏は中銀のコミュニケーションをより開かれたものへと転換する改革を主導し、2000年の講演では従来の「謎めいた神秘性」を捨て、透明性を重視する姿勢への転換を訴えた。
原題:Warsh Taps Ex-BOE Chief King for Communications Task Force (2)(抜粋)
(第3段落以降を追加し、更新します)
--取材協力:Craig Stirling、Jonnelle Marte.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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