(ブルームバーグ):原油相場は30日の取引で反落。米国とイランの恒久的な合意への期待から、ホルムズ海峡を通過する船舶の航行が増加したほか、米大手銀モルガン・スタンレーが供給過剰への警戒を改めて示したことが売り材料となった。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の米ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)8月限は前日比1.25ドル(1.8%)安の1バレル=69.50ドルで取引を終え、節目となる1バレル=70ドルを下回った。
北海ブレント先物9月限は0.96ドル(1.3%)下落して72.95ドルで取引を終えた。期近物の価格は今四半期に約3分の1下落し、四半期ベースでは2020年以来の大幅下落となった。8月限は30日が最終取引だった。
イランはホルムズ海峡を通過する海上交通を管理する姿勢を改めて示した。一方で、同海峡を通過する原油輸送は、最近の攻撃以降では初めて増加の兆しを示した。
BOKファイナンシャル・セキュリティーズのデニス・キスラー氏は「原油市場は、中東からの供給増加に加え、アジアからの燃料輸出が再び増えるとの見方を背景に、引き続き上値の重い展開となっている」と述べた。また、「米国のドライブシーズンも通常ならあと2週間で需要のピークを迎える。この局面で積極的に買う理由は見当たらない」と指摘した。
米モルガン・スタンレーは原油価格見通しを引き下げた。下方修正は約2週間で2度目。イラン戦争前には世界の原油輸送量の約5分の1が通過していたホルムズ海峡を通る輸送が、想定以上のペースで回復しているためだ。
モルガン・スタンレーは、現物市場の指標価格についても、来四半期の予想を約6分の1引き下げた。ホルムズ海峡を通過する輸送量が戦争前の約65%まで回復すれば、供給過剰が生じる可能性があると警告した。リポートは「市場の視線が2027年に向かう中、需給は再び供給過剰へと回帰している」と指摘した。
イランは米国から原油販売に関する制裁の適用除外を受けており、市場への供給はさらに増える見通しだ。中東危機が最も緊迫した局面でも、過去最大規模の戦略備蓄放出や中国の原油輸入急減、米国の原油輸出増加を背景に、原油価格は最悪のシナリオを回避した。一方、ロシアの原油輸出は過去最高水準に急増しており、海上輸送される原油が積み上がっている。
4カ月に及ぶ戦争の終結に向けた次の交渉を巡り、米国とイランの主張には食い違いがみられる。米国は30日にドーハで協議を開始する予定としている一方、イラン外務省はテレグラムへの投稿で、専門家代表団は派遣するが直接交渉は行わないと表明した。
原題:Oil Falls as Traders Weigh Middle East Return, Supply Glut Risks(抜粋)
--取材協力:Gabriel Levin.
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