OpenAIのチーフエコノミスト、ロニー・チャタジー氏は、AIの普及によって人間の労働者が不要になることはないとの見方を示した。

チャタジー氏はポルトガル・シントラで開かれている欧州中央銀行(ECB)年次フォーラムで、「AIの影響を受けやすい仕事だからといって、AIに代替されるとは限らない」と指摘。「仕事とは何か、仕事が今後どう変わっていくのかを、より深く考える必要がある。そうすることで、楽観論や悲観論に偏ることなく、労働市場の動向についてより適切な助言ができるようになる」と述べた。

ECBチーフエコノミストのレーン理事との対談で、チャタジー氏は新技術にまつわる自身の家族の経験を紹介した。

同氏は「1985年当時、父もエコノミストだった。職場にパソコンが初めて導入された際、父の仕事はパソコンの影響を受けやすいものだった。しかし、大型コンピューターでパンチカードを使って行っていた回帰分析が、自分のパソコンでできるようになった。パソコンは父の仕事を補完し、生産性を高めた」と述べた。

AIが経済に及ぼす影響は、ECBをはじめ各国・地域の中央銀行にとって重要な論点となっている。AIによって労働者が大規模に職を失えば、経済成長やインフレに大きな影響が及ぶ可能性があるためだ。

チャタジー氏との対談に先立ち、レーン理事はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、欧州経済ではAIの導入が一段と進んでいるとの認識を示した。

レーン氏は「企業調査や消費者調査では、過去の汎用技術と比べてもAIの導入はかなり速いことが確認されている」と指摘。「もちろん、これは世界的な動きだが、欧州はさまざまな面でAIを導入しやすい環境にある。AIは生産性や投資にプラスに働くと楽観している。ただ、まだ初期段階だ」と述べた。

原題:AI Won’t Be Substitute for Human Workers, OpenAI Economist Says(抜粋)

--取材協力:Maya Thompson、Shona Ghosh、Nick Heubeck.

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