(ブルームバーグ):みずほ銀行は30日、新興企業向けの新たな金融サービスを始めると発表した。銀行口座と法人カードを組み合わせ、資金繰り支援も行う。送金手数料は業界最低水準に抑え、審査にAIを活用した法人カードで最大10億円の与信枠を提供する。
中小零細企業など「マス法人」と呼ばれる顧客の間では、決済のデジタル化が進んでおらず、生産性の向上が大きな課題となっている。金利のある世界の到来で、銀行にとって預金集めの重要性も増しており、各行はサービスの高度化にしのぎを削っている。
発表によると、新サービスは申し込みから最短即日で口座開設でき、他行宛ての振り込み手数料は一律100円に設定した。融資サービスではみずほ銀が昨年買収した法人カード大手UPSIDER(アップサイダー)の知見を活用する。
一定の条件を満たした利用者には融資も提供する。限度額は1億5000万円で最長100日、無担保無保証としオンラインで融資が完結する。独自のAI与信モデルを使っており、融資可能額をその場ですぐに確認できる。
30日からサービスを始め、今後は融資や経理関連などでサービスを拡大する予定だ。2030年度に10万口座の獲得と、オンライン融資実行額で累計5000億円を目指す。みずほフィナンシャルグループの木原正裕社長は記者会見で、「大企業や首都圏だけでなく、地方を含めた中堅中小企業の成長をどのように支援するか、われわれが挑まなければいけない」と述べた。
メガバンクはこれまでマス法人の分野に注力してこなかったが、金利環境の変化を受けて力を入れ始めた。三井住友銀行は昨年4月に「Trunk(トランク)」というサービスを開始。3年間で30万口座の新規開設、3兆円の預金獲得を目指している。
みずほ銀は昨年9月、アップサイダーに460億円(7割)出資して子会社化した。同社は独自のAIモデルに強みがある。決算情報ではなく、リアルタイムの取引データや成長性をもとに判断するため、赤字に陥りやすい新興企業にも多額の与信を付与でき、累計与信枠は5兆円に達している。
みずほ銀は買収によりこの仕組みを内製化し、銀行業としての知見と組み合わせて新たなサービスの開発を進めてきた。2027年春には主に新興企業を対象とした最大3億円の新たなオンライン融資を始める。
みずほ銀が培った決算書などをベースとした与信判断に、キャッシュフローに基づくアップサイダーのAI与信を組み合わせる。みずほ銀の加藤勝彦頭取は「幅広い資金使途、長期資金にも対応する」と説明した。融資期間は最長5年とする方針だ。
(サービスの詳細やみずほFGの木原社長の発言を追加して更新します)
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