米リッチモンド連銀のバーキン総裁は28日、インフレ率は依然として高過ぎるとの認識を示した。一方で、暫定的ながらも物価上昇圧力が近く和らぐ可能性を示す兆候も見られると述べた。

バーキン総裁はインフレ率について、「数字は高過ぎる」と語った。アスペン・アイデアズ・フェスティバルが開催されているコロラド州アスペンでブルームバーグのインタビューに応えた。

連邦準備制度がインフレ指標として重視する個人消費支出(PCE)価格指数は、5月の総合指数が前年同月比4.1%上昇と、2023年4月以来の高い伸びとなった。イランでの戦争は原油やその他の商品の価格を押し上げたが、物価上昇圧力の強まりは幅広い分野に及んでいる。

Photographer: Christopher Goodney/Bloomberg

バーキン総裁は、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利や労働市場、ディスインフレをもたらす何らかの要因から「これ以上の影響がないままインフレ率が2%に戻ると確信するのは難しい」と話した。

総裁は、米国とイランの最近の停戦合意を受けて原油相場が下落し、リッチモンド連銀の管轄地域ではガソリン価格が急速に低下していることに歓迎の意を表明した。

一方で、AIインフラの整備拡大など、インフレを押し上げる別の要因もあると指摘。政策運営の適切な道筋を判断するには、今後数カ月にわたり経済動向を見極める必要があるとの考えを示した。

米金融当局は今月16、17両日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)会合で、FF金利の誘導目標レンジを4会合連続で据え置いた。当局者の間では、インフレの再加速を抑えるため、年内利上げが必要になるかもしれないとの見方が増えている。

バーキン総裁の同僚の一部は、サービス分野の価格上昇を特に懸念している。同分野はインフレが定着する傾向がある。また、インフレ率が5年余りにわたり当局の2%目標を上回り、国民的な関心事となっていることで、消費者のインフレ期待に影響が生じ、金融当局よる物価安定の回復が一段と難しくなる可能性も懸念されている。

バーキン総裁は、トランプ政権の関税措置や石油ショックによる物価上昇圧力は今後弱まり、インフレ鈍化につながるとの見方を示した。一方で、この二つの要因はいずれも米国民の消費を大きく冷え込ませたようには見受けられず、過去1年間を通じて個人消費は底堅く推移してきたと指摘した。

消費が経済成長を支える状況は、インフレ率を当局目標まで引き下げる上で逆風となる可能性がある。

バーキン総裁はまた、現在のインフレ環境下の企業の動向にも懸念を示した。「企業は価格を設定する際、現在のインフレ率を判断材料の一つとして織り込む。このためインフレにはある程度の持続性があると考える」とし、「その点は懸念材料」であり、金融政策を「やや景気抑制気味に維持することは妥当とみている」と説明した。

総裁によると、企業が投入コストの上昇に直面する一方で、消費者は値上げに抵抗感を示しており、その結果、企業がコスト増加分を価格に転嫁できる範囲は抑えられているという。

バーキン総裁は最近、バージニア州西部を訪問した際、企業経営者から来年の従業員給与をどの程度引き上げるかについて、判断を決めかねているとの話を聞いたと明らかにした。

ガソリン価格が上昇していた時期には例年を上回る賃上げが必要になると考えていたものの、その後ガソリン価格がやや落ち着いたことで、そうした対応は不要になる可能性があるとの見方を経営者は示したという。

原題:Fed’s Barkin Warns of High Inflation, But Sees Signs of Relief(抜粋)

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