ソフトバンクグループの孫正義社長は24日の定時株主総会で、かつて示していた引退意向を撤回し、今後10年以上トップの座にとどまる考えを示した。また、AIを巡る過熱感から「バブル」との見方が出ていることについてもあらためて否定。始まったばかりのAI革命を表す言葉としては適切でないとの認識を示した。

現在、孫氏は68歳。昨年6月の株主総会で、自身が同社の成長の妨げになっていると判断した場合には、社長を退くとの考えを示し、後継候補が社内に数人いると述べていた。

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Photographer: Akio Kon/Bloomberg

今回の総会では「68歳になると欲が出てきた」と笑いながら株主に説明した。計画を見直した理由について、今引退すれば「暇を持て余す」と述べたうえで、あと10年から15年は成長に貢献したいとの考えを強調した。

引退撤回の背景には、AIビジネスへの強い意欲がある。次なる挑戦の舞台として、ASI(人工超知能)の実現を掲げ、「ASIをとことんやり抜く」と宣言した。「やる以上、1番でないと気が済まない」とも語り、年齢を理由に第一線を退く考えはないことを強調した。

一方、世界のトップ企業の顔ぶれが従来型の製造業からAI関連企業へと置き換わるなか、「AIの世界は実質的に始まってまだ3年目。あっという間に大きくなる」と指摘。そのうえで、立ち上がったばかりの業界をバブルと表現することについては、「冒とくしているということ」だとの見解を示した。

投資は加速

また、孫氏は今後の成長が期待される投資テーマの一つとして、ASIを搭載したロボット「フィジカルAI」を挙げた。ASIについては、「人間を進化させることができる道具であり、同僚であり、相棒である」と説明。その普及によって、社会や産業の構造が大きく変化するとの見方を示した。

半導体設計会社アーム・ホールディングスの約90%を保有するソフトバンクGは、AI関連企業への投資を加速させている。同社は対話型AIを開発したOpenAIに約650億ドル(約10兆5000億円)の出資を約束したほか、スイスのABBのロボティクス部門を約54億ドルで買収することに合意した。

事情に詳しい関係者によると、ソフトバンクGは急成長するAI・ロボティクス分野での事業拡大を目的に、米国で「ロゼ」と呼ばれる新会社を設立し、上場させる計画だ。早ければ年内の新規株式公開(IPO)を目指しているが、上場時期は来年にずれ込む可能性もあるという。

(孫氏の発言を追加して更新します)

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