22日の外国為替市場では、ポンドが年初来安値付近に下落したが、急速に下げを解消した。スターマー首相が辞任を表明し、党首選が行われる見通しとなったが、立候補するとみられたストリーティング前保健相がバーナム前マンチェスター市長を次期党首として支持すると明らかにした。

これにより円滑な権力が実現する見通しになったとして、トレーダーらは好感。英10年債利回りは2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下して4.82%を付けた。

ポンドは一時0.4%安の1.3181ドルと、3月に付けた1.3159ドルに接近したが、1.3248ドルまで反発した。

これに先立つ3日間、スターマー氏は自身の進退について熟考していたと、関係者は説明。先週の補選でバーナム・前マンチェスター市長が勝利し、党首に挑む道が開かれていた。

投資家にとって大きな問題は、バーナム氏が首相に就任した場合、英国の財政にどのような影響が及ぶのかだ。同氏は今のところ、首相としてどのような政策を進めるのかについてほとんど明らかにしていない。そのため、将来の政府借り入れに対する影響の見極めが難しくなっている。

財政ルール

英国はすでに高水準の債務負担を抱えており、国債発行増加の可能性を市場は懸念している。

オーストラリア・コモンウェルス銀行のクリスティナ・クリフトン氏らストラテジストは顧客向けリポートで、「市場はバーナム氏の財政政策に対する考え方と、現在の財政ルールが緩和されるかどうかに注目するだろう」と指摘。

「財政ルールが緩和されれば、英国国債市場で好意的に受け止められる可能性は低い」として、ポンド相場を圧迫するだろうとの見方を示した。

オプション市場のトレーダーは、すでにポンドの一段安を見込むポジションをとっている。地合いを測る指標として広く利用されている1週間物のリスクリバーサルは、過去1カ月でポンドに最も弱気に近い水準で推移している。

スタンダードチャータード銀行のグループ・ウェルス・マネジメント部門グローバル最高投資責任者(CIO)、スティーブ・ブライス氏(シンガポール在勤)は、政治的不透明感が買いの好機となる可能性があるとしつつ、大幅に下落すればの話だとくぎを指した。

「もしバーナム氏が、首相になれば思うように財政支出を拡大し、経済成長を実現できると考えているなら、市場はそれとは異なる見方を突きつけるだろう」とブライス氏は述べ、「通常は市場の判断が勝るものだ。バーナム氏もそれを理解しているだけの賢さは持っていると思う」と続けた。

原題:Pound Falls to Trade Near 2026 Low as UK’s Starmer Resigns、Gilts Rise After Path for Burnham to be PM Becomes More Certain(抜粋)

(英政治の新たな展開と相場の変動を第1-3段落に加えます)

--取材協力:Ruth Carson.

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