国内の保険会社は、日本の国債利回りが数十年ぶりの高水準を付けた5月に超長期債を売り越し、4月の買い越し姿勢から一転した。

日本証券業協会が22日に公表した「公社債店頭売買高」のデータによると、生保・損保は残存期間10年超の国債を2012億円売り越した。4月は3272億円の買い越しだった。

5月の債券相場は新発10年国債利回りが一時2.8%と1996年以来の高水準を更新、30年や40年の超長期ゾーンの利回りも過去最高水準を付けたものの、国内主要投資家の動きは依然として鈍い。日本銀行のインフレ進行に対する政策が後手に回るビハインド・ザ・カーブへの懸念に加え、高市政権による補正予算編成など積極財政路線を背景にした金利の先高観が根強いからだ。

SMBC日興証券の田未来シニア金利ストラテジストは「5月は金利上昇のペースが速く、ボラティリティーも高かったため、投資家は様子見姿勢を強めた」と分析した。4月に生損保が超長期債を買い越していたことについては、新年度入りに伴う予算面の余裕などを背景にいつもと違うパターンになった可能性があるとの見方を示した。

一方、年金基金などの動向を反映すると市場でみられている信託銀行は、5月に日本国債を買い越し、買越額は約2年ぶりの高水準に膨らんだ。

BNPパリバ・アセットマネジメントの木村龍太郎シニア債券ストラテジストは「生保が超長期国債の売却を続けるかどうかは、今後の金利動向次第だ」と指摘。現在3.9%付近で推移する30年債利回りが仮に4.5%を超えて上昇した場合、「生保は多額の減損リスクに直面することになり、追加的な債券売却に踏み切る可能性が極めて高くなる」と警戒している。

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