(ブルームバーグ):原油価格が週明け22日のアジア市場で上昇。トランプ米大統領が、親イラン派武装組織ヒズボラによるイスラエルへの攻撃が続けばイランを攻撃すると警告したことを受け、米国とイランの和平協議の進展に対する懸念が高まった。
北海ブレント原油は取引開始時に一時2.2%上昇し、1バレル=82.30ドルを付けた。米ウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は77ドル近辺で推移した。
スイスで21日に始まった米国とイランの和平協議は難しい船出となった。トランプ氏による最新の威嚇を受け、イランが協議を中断したとの報道が同国メディアから伝わり、一時情報が錯綜(さくそう)した。ただ、事情に詳しい関係者によると、協議は継続していた。イランはイスラエルがレバノンでの停戦合意に違反したと非難している。
スイスのリゾート地ビュルゲンシュトックでは、米国とイランのハイレベル会合が開かれている。これは、トランプ氏が先週署名した覚書に基づく60日間の交渉プロセスの一環だ。
イランがホルムズ海峡を再び封鎖したと表明した後も、週末を通じて数百万バレルの原油が同海峡を通過し続けた。
トランプ氏は21日にFOXニュースのインタビューで、イラン指導部に対し、イランがホルムズ海峡を封鎖したら「お前たちはイランに戻ることさえできなくなる」と、罵倒の言葉を交えて話したと明らかにした。事情に詳しい政府関係者によると、レバノンでの戦闘を巡る解決がスイスでの協議成功の鍵になるという。
中東での戦争は、世界の産油量の約3分の1を担う地域の供給を圧迫している。原油先物価格はここ数週間で下落しているが、依然として戦争前の水準を上回っている。
和平合意が成立すれば、原油市場への供給が急増する可能性がある。ホルムズ海峡が完全に再開されれば、約8000万バレルの原油が市場に流入する見通しだ。最大輸入国である中国の需要低迷も重なり、製油会社が供給過剰に直面する恐れがある。
一方、ペルシャ湾岸の産油国は増産に向けた準備を進めている。クウェートは先に発表していた供給義務を履行できないとして戦争中に発動したフォースマジュール(不可抗力条項)を全て「即時」解除した。アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ国営石油(ADNOC)は顧客に対し、ペルシャ湾内の港からの原油引き取りを再開するよう求めた。
原題:Oil Climbs After Fresh Trump Threat as US-Iran Peace Talks Begin(抜粋)
(第6段落以降に背景情報などを追加して更新します)
--取材協力:Rob Verdonck.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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