22日の原油相場は下落。米国とイランの和平協議に進展の兆しが見られ、対イラン石油制裁の一部適用除外も合意の一環に含まれる中、ペルシャ湾からの原油供給回復が続くとの期待が高まった。

北海ブレント先物8月限は前営業日比2.67ドル(3.3%)下落の1バレル=77.90ドルで取引を終えた。米ウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物7月限は2.3%安の74.82ドルで終了。7月限はこの日が最終取引だった。中心限月である8月限は、1.99ドル(2.6%)安の73.86ドル。

米政府は、スイスでの協議が「建設的」だったことを理由に、イランが8月21日までエネルギー製品を販売することを認める包括的な60日間のライセンス(許可)を発給した。今回の措置はイラン経済にとって生命線となる可能性がある。過去1週間にイランからアジア向けに出荷された3000万バレル超の原油の販売円滑化にもつながる。

ホルムズ海峡を通過する原油輸送量も増加している。ブルームバーグ集計の海運データによれば、週末には数百万バレルの原油が同海峡を通過した。

スパルタ・コモディティーズのリサーチ責任者ニール・クロスビー氏は「ホルムズ海峡を通過する輸送量が、今後は原油供給や外交面での進展を映す指標として注目されるだろう」と指摘。「現時点で最も重要なのは、その流れが増加方向に向かっていることだ」と述べた。

中東での戦争は、世界の産油量の約3分の1を担う地域の供給を圧迫している。原油先物価格は戦争前の水準を依然上回っているが、ここ数週間では下落している。製油会社が代替調達ルートを確保したほか、紛争終結による市場の早期正常化への期待が強まったためだ。

和平合意が実現すれば、大量の原油供給が市場にもたらされる可能性がある。特に最大の輸入国である中国の需要低迷を踏まえると、その影響は大きい。ホルムズ海峡が完全に再開されれば、約8000万バレルの原油が市場に放出され、製油会社は供給過剰に直面する恐れがある。

米シンクタンク、新アメリカ安全保障センター(CNAS)でシニアフェローを務めるレイチェル・ジエンバ氏は、米国とイランの覚書で約束された制裁適用除外措置について、短期的に供給増加や価格下落への期待を必ずしも高めるものではないと指摘。

「焦点はイランからの供給ではなく、むしろ生産を停止しているイラクなど湾岸諸国が生産をどの程度再開・拡大できるかだ」と述べた。

ペルシャ湾岸の産油国は増産の準備を進めている。クウェートはこれまで発動していたフォースマジュール(不可抗力条項)を解除した。アブダビ国営石油会社(ADNOC)は顧客に対し、ペルシャ湾内からの原油積み込み再開を要請するとともに、一連の入札を通じてスポット原油の販売を進めている。

制裁緩和によってインドなどの国々がイラン産原油を購入する道が開かれる可能性もあると、ジエンバ氏は指摘した。リスク許容度が比較的低い中国企業も、今回の適用除外措置の下でイランからの購入を拡大する可能性があるという。

動画:米国とイランの協議に関するブルームバーグテレビジョンの報道

イランが3000万バレル出荷

米国がイラン産原油への制裁を緩和したことで、より多くの国による購入が可能となり、イラン産原油が再び世界市場に流入している。

過去1週間では3000万バレル超がアジア向けに出荷された。米国の封鎖措置で足止めを余儀なくされていた原油に加え、ペルシャ湾北部にある同国最大の輸出拠点カーグ島からの輸出分も含まれる。

もっとも、この供給急増の大半は海上封鎖によって滞留していた原油の放出によるもので、輸出ペースはいずれ再び鈍化するとみられる。

原題:Oil Falls After US-Iran Deal Progress, Sanctions Waiver、Iran Shipped 30 Million Barrels of Oil in Week Before US Waiver(抜粋)

--取材協力:Serene Cheong.

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