防衛省が“異例”の投稿「遺憾」「看過できない」

防衛省が今月16日に公式Xに投稿した内容に注目したい。名古屋大学の学園祭で6月13日に出展が予定されていた自衛隊の活動を伝えるパネルなどの展示が、前日に急遽、展示を取りやめになったことに対する見解だ。
翌17日には、公布された予備自衛官等兼業特例法について「公務員が予備自衛官などに志願しなければならなくなる」「実質的な徴兵制」などといった指摘があがっていることに触れ、「事実に反するもの」「不安を広げるような発信については、看過できるものではありません」と投稿している。
当該アカウントの検索機能から「遺憾」という文字の過去の投稿歴を検索してみたところ、2011年3月のアカウント開設以降、対外的な事象に対して「遺憾」の言葉が使用されたのは、検索できる限り初めてのことだった。「看過できない」についても、同様に初めてのことだとみられる。
※「遺憾」は過去に大臣会見の発言を引用した際にも使用。また「遺憾なく発揮したい」という別の投稿でも使用しているが、対外的な事象を指摘する意味で使用された投稿はない。
※「看過できない」は2022年3月にロシアによるウクライナ侵略に関連し使用。先述した指摘についての投稿がそれぞれ2例目と3例目
攻めの発信へ 小泉大臣「変えていこうと思っている」
こうした情報発信の旗振り役が、自身にとって初の防衛大臣ポストを担う小泉進次郎防衛大臣だ。かつての硬質で慎重だった発信から、SNSを駆使したダイレクトかつ攻めの発信へと舵が切られている。
小泉進次郎防衛大臣
「(防衛省・自衛隊は)あまり積極的な発信をしなかった部分もあるかもしれませんが、私はそれを変えていこうと思っています。」
(2025年10月・視察先での記者の取材に対し)
そもそも、防衛省・自衛隊の発信は、これまでホームページを中心に一見しただけでは詳細が一切伝わらず、災害派遣の報告や訓練の様子などを淡々と伝える「報告型」が中心だった。
こうした状況に小泉氏は「自分が先頭に立ち、理解を広めていくための情報発信を引き続き強化をしていきたい」と意欲を滲ませていた。
小泉氏が取り組むことの1つの例が、自衛隊・統合幕僚監部が発信する他国の軍事動向についての「解説投稿」だ。統合幕僚監部は他国の軍用機などが日本周辺で活動していることを確認した際、公式Xでの公表も行っている。しかし、この「お知らせ」の内容を見ただけで、どういう意味があり、どういう問題があるのかということを一般の国民に伝えることには課題がある。
小泉氏はこうした投稿を引用する形で「当該の機体はどのような装備が可能で、どのような脅威(もしくはリスク)が考えられるのか」などの解説する内容を投稿し続けている。
防衛省幹部は「(小泉大臣は就任後)『自分はみなさんに比べれば(安全保障の)素人だ。だからこそ、わからないものを国民側に立ってしっかりと伝わるように発信していきたい』と話していた。閉じていた殻をこじ開けていると感じます」と話している。