(ブルームバーグ):自民党は日本の株式市場で存在感を増しているアクティビスト(物言う株主)の活動を透明化するための措置を検討する。近く発足するプロジェクトチーム(PT)で実態調査を行い、7月にも会社法改正や企業の対応策を含めた中間提案をまとめる。
「成長志向型コーポレートガバナンスPT」の座長に就任する小林史明衆院議員が、17日までにブルームバーグとのインタビューで明らかにした。株主の活動制限が目的ではなく、企業に成長志向型の経営を促すための「環境整備だ」と語った。
東京証券取引所や政府の取り組みを受け、日本では企業の政策保有株の持ち合い解消など統治改革が進展した。企業が資本市場に向き合う姿勢を強めた結果、アクティビストによる投資や株主総会での提案が増加。一部に不透明な動きもみられる中、PT設置は実態を把握した上で政府や企業に取り組みを促すのが狙いだ。
具体的な調査対象の例としては、アクティビストとプライベートエクイティー(未公開株、PE)ファンドの関係を挙げた。
アクティビストによる関与を契機に、上場企業が株式非公開化・MBO(経営陣による買収)を行うケースで、アクティビストがMBOを主導するPEファンドにも出資するなど、他の株主の利益を差し置いて独自の利益を追求している可能性があるとも指摘されているからだ。
また、複数のアクティビスト投資家が協調行動をとりながら、個々の投資家の保有割合を開示基準以内に抑え、株式を取得していることを悟られにくいよう行動する、いわゆる「ウルフパック」についても扱う予定だ。
PTでは業界関係者に加え、金融庁や証券取引等監視委員会などからヒアリングを行い、人員や予算拡充など現行法の執行力強化に必要な措置などを検討するという。
ガバナンス改革
2023年以降の東証によるガバナンス改革や、経産省による「企業買収における行動指針」の公表などを受け、金融機関を中心に保有する株式を手放す動きが加速した。
資本効率の改善やガバナンス強化を念頭に持ち合い解消が呼びかけられ、政策保有株の売却が押し上げる形で23年以降には毎年4兆円近い金額の株式が売却された。アクティビストが企業に対する要求を公に訴える「公開キャンペーン」は米国に次ぐ多さとなっている。
PTでは、経営者側の能力強化策についても協議する予定だ。小林氏は根本的な問題は、企業が自社の中長期戦略について「説明しきれる状況になってないこと」だと指摘。アクティビスト提案に備えるため、企業が点検すべきリストの策定を経済産業省に求めることも選択肢だと述べた。
会社法
一方で、株主の権利が相対的に大きい日本の法制度が、過剰なアクティビスト提案を招いているとの問題意識から、法制審議会では会社法の改正に向け検討が進んでいる。
小林氏はPTでも協議する予定で、具体的な論点として株主提案権行使の要件厳格化などを挙げた。会社法改正により、現状を是正し「グローバルスタンダードに合わせる」と強調した。
PTで協議する予定の会社法改正の論点
- 株主提案権行使の要件厳格化
- 業務執行に関する株主提案の制限
- 企業による実質株主調査権の実効性確保
- 臨時株主総会の招集請求権の要件厳格化
- 株主指定の調査者が企業の内部資料を閲覧できる制度の見直し
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