ラトニック米商務長官は先週、米アンソロピックに対し、人工知能(AI)モデル「ミュトス(MYTHOS)5」と「フェイブル(FABLE)5」について外国人へのアクセス提供には政府の許可が必要になり、従わなければ刑事・民事上の罰則を科す可能性があると書簡で通知した。ブルームバーグ・ニュースが入手した書簡のコピーで分かった。

12日付の書簡はアンソロピックに対し、フェイブル5およびミュトス5を世界のどこにいる外国人に対しても、商務省の許可なしで提供しないよう命じる内容だった。ラトニック氏は制限が必要な理由を示さなかったが、敵対国の軍が情報活動に利用し得る民生技術に対し、政府が輸出規制を課すことを認める米国法に言及した。

ラトニック氏はアンソロピックのダリオ・アモデイ最高経営責任者(CEO)宛ての書簡で、「別途通知があるまで、フェイブル5やミュトス5を世界のいかなる国・地域に対しても、また居住地を問わず『外国人』に対しても、輸出、再輸出、または(国内)移転する前に、個別許可を申請しなければならない。対象にはみなし輸出やみなし再輸出も含まれる」と伝えた。

商務省の報道官はコメントを控えた。アンソロピックの広報担当者は、輸出規制に関する自社のブログを参照するよう求めた。

商務省の命令を受け、アンソロピックは12日遅くに両モデルへのアクセスを停止した。その後、担当者が安全保障上の具体的な問題について米政府当局者とオンライン会議を開き、技術スタッフも15日に商務省当局者と会合を持ったと、アンソロピックの広報担当者は明らかにした。

トランプ政権は今回の決定理由についてコメントしていないが、アンソロピックは最近公開したフェイブル5について、サイバーセキュリティー用途での利用を制限していたにもかかわらず、安全対策を回避する「ジェイルブレーク」が可能であることが判明したため、米政府が命令を出したと考えていると説明している。

今回の命令は、米政府によるAI企業への介入としてこれまでで最も重大なものとなる。アンソロピックにとっては、非公開で新規株式公開(IPO)を申請してから数週間後に浮上した新たな課題となる。

アンソロピックは両モデルへのアクセス停止を発表した声明で、政府の対応は過剰だとの認識を示した。

投稿で「数億人に提供されている商用モデルを回収する理由として、ジェイルブレークの限定的な可能性が確認されたことを挙げることに同意できない」と指摘した。さらに、「この基準が業界全体に適用されれば、最先端モデルを開発するすべての事業者による新モデル投入は事実上停止すると考えている」とした。

書簡では、別途通知があるまで許可取得義務は継続するとした上で、アンソロピックが申請を行う際の手続きも示した。

原題:Lutnick’s Letter to Anthropic Warned of Curbs on Top AI Models(抜粋)

--取材協力:Mackenzie Hawkins.

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