31年ぶりの「金利1%の世界」となります。日銀はきょう、追加の利上げを決めました。物価高を抑える狙いですが、住宅ローンなど家計にも影響が出そうです。

金利がさらに上がります。

日本銀行 内田眞一 副総裁
「(政策金利を)従来の0.75%程度から1.0%程度へと変更する」

31年ぶりに到来する「金利1%の世界」。利上げで家計の重荷になるのが、変動型の住宅ローンです。

この住宅展示場では、担当者が毎月、欠かさず確認しているものがあります。

「メールでご案内が来る形になっていまして」

銀行から届く、住宅ローン金利の通知です。去年3月には0.5%を下回っていた変動金利は、およそ1年で0.95%までアップ。5000万円を35年ローンで借りた場合、返済額は月々1万1000円増えている計算です。

さらに、今回の利上げでは、月に6000円ほど返済額が増える可能性があるということです。

アキュラホーム池袋店 野崎雅人 店長
「お客様としてはもう今、家賃も上がっている、そういったところで物価(上昇)もみたいな話もある中で『将来金利どうなるんですか』ということを(お客さんに)聞かれることが圧倒的に増えた」

ローンのある家庭への負担増が懸念される中、なぜ、日銀は利上げに踏み切ったのか。

入院中の植田総裁に代わり、会見で内田副総裁が強調したのは、物価が想定以上に上がるリスクでした。

日本銀行 内田眞一 副総裁
「今後、消費者段階における幅広い品目の価格上昇に波及していく可能性があります」

中東情勢の悪化による原油高や円安によって企業の間で取引するモノの価格は、5月は去年より6.3%上昇。およそ3年ぶりの高水準となっています。

日銀は暮らしに身近な商品の値上げがさらに広がる前に、利上げで物価上昇を抑えたい考えです。

ただ、物価高の要因の一つである円安をめぐっては…

記者
「円相場ほとんど動いていません」

会見後も円相場は、1ドル=160円20銭から30銭で推移。円安は是正されませんでした。

なぜ、円が買われなかったのか?

外為どっとコム総合研究所 宇栄原宗平 為替アナリスト
「今後の利上げ時期・ペースを探る上でのヒントがなかった。緩和的な状況が続いているというのは、これが変わらない限り円安は続くのではないか」

今回の1度の利上げでは、円安や物価高の抑制への効果は限られそうです。ただ、利上げを短期間に繰り返せば、住宅ローンや企業の資金繰りにも影響が出かねません。

31年ぶりの「金利1%の世界」。日銀の難しいかじ取りは続きます。