原油相場は15日に急落している。米国とイランが数カ月にわたる戦争を終結させるための暫定合意に達したことを受けた。ただ、ホルムズ海峡の通過が可能になったとしても、海運各社は合意内容の詳細を見極めてから航行再開の是非を判断しようとしている。

ニューヨーク時間午前11時57分現在、ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は前週末比5.4%安の1バレル=80.29ドルで取引されている。一時、80ドルを割り込む場面もあった。北海ブレント先物は5.3%安の82.72ドルを付けた。

トランプ米大統領はソーシャルメディアへの投稿で、ホルムズ海峡の「通航料が徴収されない形での再開」とともに、イランに対する海上封鎖も終了すると表明した。ホルムズ海峡は19日に和平合意が署名されれば再開される見通しだとした。

また、イランの半国営ファルス通信は、米国との暫定合意で、イランが60日間に限定したホルムズ海峡の無償通過を認めることになっていると報じた。

トランプ氏は「原油を動かそう!」と今回の合意を自賛しているが、トレーダーやアナリストの反応は慎重だ。暫定合意案の詳細がまだ分からず、海峡の通航再開には障害が残っているほか、油田の稼働再開にも長い時間がかかるためだ。ニューヨーク時間15日朝の時点で、海峡を通過する船舶の交通量が急増する兆候はほとんど見られていない。

世界のエネルギー市場は、2月末に米国とイスラエルがイランの核開発計画を抑制するため攻撃を開始して以来、この戦争の動向に左右されてきた。イランは報復としてペルシャ湾岸各地への攻撃を行ったほか、平時には世界の原油輸送量の約2割が通過するホルムズ海峡を封鎖した。

オックスフォード・エコノミクスのアナリストらは、「米国とイランの合意は、包括的な合意に向けた重要な前進だ」と評価した。一方で、「今後も紆余(うよ)曲折が予想され、ホルムズ海峡の海運が戦争前の水準を回復するには時間を要するだろう」との慎重な見方も示した。

原題:Oil Sinks as US-Iran Deal Boosts Outlook for Reopening of Hormuz(抜粋)

--取材協力:Mia Gindis.

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