米石油大手エクソンモービルは、液化天然ガス(LNG)事業とアジア市場でのプレゼンス拡大に向けた選択肢として、オーストラリアのウッドサイド・エナジー・グループなど買収対象の検討を進めている。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

メディアに話す権限がないとして匿名を条件に語った関係者によると、エクソンは社内で初期段階の協議を行っている。ウッドサイドは、エクソンが評価している複数の候補の一つだという。

ウッドサイドの米国預託証券(ADR)は12日、一時14%上昇した。同社の時価総額はシドニー市場の取引終了時点で約590億豪ドル(約6兆7000億円)だった。

関係者によれば、検討はまだ初期段階で、買収提案につながる保証はない。エクソンとウッドサイドの担当者はいずれもコメントを控えた。

2024年に米シェール大手パイオニア・ナチュラル・リソーシズの買収を600億米ドル(現在のレートで9兆6000億円)で完了したエクソンは、その後も追加の成長機会を模索している。豪最大のLNG輸出企業ウッドサイドを買収すれば、米国外での事業基盤を拡大するとともに、LNG分野への比重を高めることになる。エクソンは同分野でシェルやトタルエナジーズなど同業他社に後れを取っている。

関係者の1人によると、LNGを重視した買収案件は、2月末にイラン戦争が始まって以降、より重要な優先課題になった。この戦争によりホルムズ海峡は事実上封鎖され、世界供給量の約5分の1が滞ったことで、アジアの買い手は中東以外の代替供給先を探るようになった。

ウッドサイドがメキシコ湾岸で開発中のプロジェクトは29年までに操業を開始する見込みだ。また、日本や韓国を含むアジアの主要顧客との長期販売契約も確保しており、LNG市場への足掛かりを求める企業にとって魅力的な買収対象となっている。

潜在的な買い手にとって代替候補は限られており、その一つが豪サントスだ。サントスはこれまでも繰り返し買収ターゲットとなってきた。昨年には、アブダビ国営石油会社(ADNOC)の子会社が主導するコンソーシアムと協議を行っていたが、最終的に交渉はまとまらなかった。

仮に買収提案にまで発展すれば、ウッドサイドの最高経営責任者(CEO)に今年就任したリズ・ウェストコット氏にとって初の大きな試練となる。同氏は英BPのトップに転じたメグ・オニール氏の後任としてCEOに就任した。

ウッドサイドは国内でスカボローおよびブラウズのガス開発プロジェクトを推進しており、これらは同社のLNG輸出拡大を支える見通しだ。同社は最近、プロジェクト推進を後押しするためブラウズ事業の持ち分を引き上げた。

ウッドサイドとエクソンはすでにバス海峡プロジェクトで提携関係にあり、昨年にはウッドサイドが操業権者の地位を引き継いだ。

原題:Exxon Is Said to Study Takeover Targets Including Woodside (1)(抜粋)

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