(ブルームバーグ):米国とイランが戦闘終結に向けた覚書に合意したことで、高市早苗首相が15日、歓迎するコメントを発表するなど日本政府は前向きに受け止めている。
高市首相は15日、今回の合意について「事態の収束に向けた大きな一歩」と指摘。今後についてはホルムズ海峡における自由で安全な航行が実際に確保され、イランの核問題などに関する最終的な合意が一日も早く実現することが大事だと述べた。訪問先のイタリアで記者団に語った。
これに先立ち、X(旧ツイッター)への投稿でも同様の見解を示した。茂木敏充外相も同日、日本として「引き続き、国際社会と緊密に連携しながら、中東地域全体の平和と安定の実現に向け、あらゆる外交努力を重ねていく」との談話を発表した。
ホルムズ海峡が事実上封鎖される事態となった今回の戦争で、中東に原油の9割超を依存してきた日本はエネルギー安全保障面での課題を突き付けられた。原油は代替調達先の確保を迫られたほか、塗料・シンナーなどナフサ由来の一部製品の供給不足への対応にも苦慮した。
原油は代替調達先の確保に尽力した結果、米国、中南米、中央アジア、アフリカなど多角化が進み、11日の時点で高市首相は7月にはホルムズ海峡を経由せずに前年並みの水準を確保できるとの見通しを示していた。
米国とイランの和平合意成立を受け、15日の日本市場は株式が大幅高となり、日経平均株価は初めて6万9000円台に乗せた。債券も上昇。円は対ドルで160円付近で推移した。
木原稔官房長官は午前の記者会見で、米イラン合意の着実実施で日本や世界の経済を「下押しするリスクを低下させることが期待される」と語った。株価を含めた金融市場の動向についてはコメントを控えた。
サミット
15日からフランス・エビアンで開かれる主要7カ国首脳会議(G7サミット)は米イラン合意を受け、事態の収束に向けた結束が試されることになる。
高市首相はサミットで「ホルムズ海峡における自由で安全な航行の確保を含む、中東地域全体の平和と安定の実現のために、各国首脳としっかりと議論していく」と強調。英国とフランス、ドイツ、イタリアの首脳が発表した共同声明への参加も表明した。
同声明は「イランが核計画について明確かつ検証可能な措置を講じれば、それに応じて関連する制裁を解除する用意がある」としている。
自衛隊派遣
今後は自衛隊派遣を含め、中東の平和と安定に向けた日本の貢献策が具体的な政治課題として浮上しそうだ。
サミットに合わせて高市首相とトランプ米大統領との首脳会談も想定されており、米側から機雷除去のための掃海艇派遣などの貢献を求められる可能性がある。1991年の湾岸戦争ではイラクがペルシャ湾北部に敷設した機雷を除去するため、日本は終結後に海上自衛隊の掃海艇を派遣した実績がある。
ただ、本格的な検討はこれからだ。木原官房長官は会見で、「自衛隊の派遣については何ら決まっているということはない」と述べるにとどめた。人道支援やインフラ復旧への貢献については「今後の状況および現地のニーズを見極めながら適切に判断していきたい」との考えを示した。
(高市首相の記者団への発言を追加し、更新しました)
--取材協力:中丸諒太郎、岩城伸也.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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