首相交代では解決しない構造的問題

国債への圧力は政界の混乱へと波及していますが、興味深いことに債券市場はスターマー首相とリーブス財務大臣を支持しています。彼らが財政ルールを徹底して守り、借金に頼る政治に戻らないよう規律を保っているからです。

一方、労働党内で次期リーダーとして注目を集めるアンディ・バーナム氏は、全く異なるアプローチを掲げています。マンチェスター市長を辞職して国政を狙う彼は、「政府は債券市場の言いなりになるべきではない」と主張し、市場暴落も辞さずに巨額支出を強行する構えを見せ、投資家を動揺させました。

イギリスが抱える社会保障費の増大、生産性の低迷、財政の余裕のなさといった経済問題の多くは構造的で根深く、短期間での解決は困難です。次の首相を待ち受けるのは、トランプ大統領が主導する激動の世界情勢です。次に官邸の黒い扉をくぐる者が誰であろうと、同じ現実に直面するでしょう。首相を替えても根本的な問題は解決しません。ダウニング街に長く居座る確実で唯一の方法は、猫になることくらいなのかもしれません。