日本銀行は10日、植田和男総裁が肝嚢胞感染症の治療で入院したと発表した。今月15、16の両日開く金融政策決定会合は欠席する。

2023年4月の就任以来、植田総裁が決定会合を欠席するのは初めて。議長は氷見野良三副総裁が、終了後の記者会見は内田真一副総裁がそれぞれ代理を務める。植田総裁は書面で意見を提出するが、議決には参加しない予定。出席は8人になる見通しだが、仮に可否が4対4の同数になった場合、議長が決することになる。

関係者によると、次回会合では中東情勢の緊迫化に伴う物価の上振れリスクに対応するため、政策金利を0.25ポイント引き上げ、1.0%とする方向で検討する。前回会合以降、他の政策委員の多くも利上げの必要性を表明しており、植田総裁の欠席で見通しが変わる可能性は低い。

モルガン・スタンレーMUFG証券の山口毅日本チーフエコノミストは同日のリポートで、植田総裁の入院は、6月会合の政策決定に影響しないと指摘。同会合での利上げ予想は変更はないとした。一方で、内田副総裁による会見について、植田総裁との比較で若干タカ派的になると、一部の投資家は予想する可能性があるとの見方を示した。

ブルームバーグがエコノミスト51人を対象に3-8日に行った調査によると、9割超が6月会合で政策金利を引き上げると予想した。また、多くがその後の追加利上げに関する植田総裁からのシグナル発信の重要性を指摘していた。

植田総裁は、9日に検査入院して病気が判明した。入院期間は2週間程度の見込み。入院中はリモートワークを通じて必要な公務を行っているという。7月30、31日の決定会合には出席する予定としている。

総裁が決定会合を欠席するのは、2010年5月10日に開いた臨時会合以来。当時の白川方明総裁が国際決済銀行(BIS)総裁会議に出席していたため、山口広秀副総裁が議長を務めた。会合では、ギリシャ危機への対応として、米連邦準備制度理事会(FRB)との間で米ドルスワップ取り決めを再開することなどを決めた。

内田副総裁も25年11月に白血病の治療のため入院し、一部の会合には病室や執務室から遠隔で参加していた。日銀によると、同氏は先月退院した。

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