イラン情勢の改善は株式市場にとってポジティブとは言い切れない

7月24日の米国株式市場は、米国とイランが戦闘終結に向けた交渉を再開するという期待が強まり、ダウ平均が反発した。他方、AI・半導体関連株は軟調だった。原油価格が下落する中で景気全体には楽観論が広がったが、その結果としてAI・半導体関連株への投資資金が集中する流れも逆回転した模様である。ダウ平均は反発したとはいえ、週間では低下していた。ナスダック指数も週間で低下しており、株式市場の地合いは良くなさそうである。

25日には、トランプ大統領がイランへの大規模攻撃を当面見送る方針だと報じられた。米中央軍が保有する迎撃ミサイルの在庫が減少していることが背景にあるとみられており、トランプ大統領が態度を軟化させるかは不明だが、原油価格が下落するといった反応になるだろう。株式市場では、金利低下が見込まれることが好感されると予想されるものの、AI・半導体関連株からの投資資金の流出も予想され、まちまちな展開になる公算である。

年内の利上げ観測に後退余地あり

7月24日の米国債券市場では、インフレ懸念が弱まり、イールドカーブ全体で金利が低下した。長期金利は前日比▲1.6bp、2年金利は▲1.6bpだった。米国とイランが戦闘終結に向けた協議を再開する期待が高まる中、7月28-29日のFOMCでは、FRBのスタンスは様子見となるだろう。市場では9月FOMCでの利上げが織り込まれているが、7月FOMCで9月利上げの地均しがなければ、9月の利上げ観測は後退している可能性が高い。

また、現在は26年中に1.76回の利上げが織り込まれているが、スケジュールを考えると年内2回の利上げは困難であるという見方が広がるだろう。少なくとも利上げ観測は年1回まで後退していくだろうと、筆者は予想している。さらに利上げ観測が後退するかどうかは、雇用統計の結果次第になるだろう。引き続き、筆者は雇用統計が弱めの結果になっていくことで、年内の利上げはないだろうと予想している。