(ブルームバーグ):トランプ米政権の当局者の間で、過去1年の対中テック政策の在り方を見直す異例の議論が1週間にわたり続けられたもようだ。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
関係者によると、トランプ政権が中国のテック部門に対する規制を当初の意図や公に認められた範囲よりずっと狭くしていないかが焦点という。
非公開情報を理由に関係者が匿名を条件に語ったところでは、アリババグループなどの中国企業は、こうした潜在的な抜け穴を利用し、米エヌビディアの最先端の人工知能(AI)半導体チップを搭載したサーバーを中国本土以外のほとんどの国・地域で合法的に購入できた可能性がある。
輸出規制の実施を担当する商務省産業安全保障局(BIS)が5月31日に出した極めて異例なガイダンス(指針)は、政権当局者の混乱をうかがわせる内容となった。中国企業を対象に2023年に最初に導入したAI半導体チップのグローバル販売規制が引き続き有効かどうかBISは最近問い合わせを受けたが、「答えはイエスだ」と指針に明記された。
こうした状況は、先端技術の対中輸出を認めるべきかどうか政権内で論争が何カ月も続いた結果、国家安全保障の極めて重要な分野において、不明確で一貫性を欠く政策の寄せ集めを生んだ実態を浮き彫りにする。
トランプ政権のチームは、AI半導体チップ輸出に関するバイデン前政権の一部規制の施行を停止したが、首尾一貫した代替策を実行することはなかった。
エヌビディアのAI用先端GPU(画像処理半導体)「ブラックウェル」のような先端AI半導体チップが、シンガポールやマレーシアなどの中国企業に出荷されていなかったかトランプ政権の当局者が調査を進めているという。
それが事実なら、中国との技術競争に対するホワイトハウスの公式アプローチと真っ向から対立する。5月31日のガイダンスが公表されるまで、少なくとも一部当局者は、25年5月のBISの決定を受け、そうした出荷が合法になったと考えていた。そのような迂回(うかい)ルートを通じて、中国企業への販売が実際に行われたかどうかは不明だ。
エヌビディアの広報担当者は、抜け穴が存在するとの見方を「ソーシャルメディアのうわさ」と一蹴し、パートナー企業は抜け穴が存在しないかのように堅実に事業を行ってきたと説明した。
原題:Trump Officials Worry US Let Chinese Firms Buy Nvidia Blackwells(抜粋)
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