(ブルームバーグ):人工知能(AI)を使った音楽生成サービスを提供する米スタートアップのSunoは、企業価値54億ドル(約8640億円)で4億ドルの資金を調達した。
同社によると、OpenAIや予測市場プラットフォームのカルシに出資するボンド・キャピタルが、IVPやフォーランナー、ユニオンスクエア・ベンチャーズなどのベンチャーキャピタル(VC)と共に今回の資金調達ラウンドを主導。既存投資家のライトスピードやメンロ・ベンチャーズも参加した。
Sunoはわずか7カ月前に2億5000万ドルを調達しており、その時点から企業価値は2倍に膨らんだ。投資家が同社の音楽業界変革の可能性に期待していることを示している。
今回の資金調達により、Sunoは新興AI音楽企業の中で最も価値の高い企業となった。
Sunoは、ユーザーがテキストで指示を入力するだけで一から音楽を作成する。特定のジャンル、サウンド、楽器、歌詞を指定すると、ほぼ瞬時に完成したデジタル音源が生成される。
共同創業者のマイキー・シュルマン最高経営責任者(CEO)はインタビューで、Sunoは調達した資金を採用拡大や新製品の開発、成長加速に充てると説明した。同社の従業員数は約200人で、年末までに70%増員する計画だ。2月には加入者数が200万人を突破し、年間売上高3億ドルを達成するペースにあるとしている。
シュルマン氏は「資金が増えれば、事業運営の仕方を変え、より大胆な挑戦ができる」と述べた。ユーザーのアプリ利用時間は増加し、解約率は低下。「より多くのユーザーが製品に魅了され、繰り返し利用している」と語った。
一方で、AI生成音楽の急増は音楽業界を二分している。多くのソングライターやミュージシャンは、自分たちの作品が無償でAI学習に利用されていることに反発している。ユニバーサル・ミュージック・グループ(UMG)とソニー・ミュージック、ワーナー・ミュージック・グループ(WMG)の大手レコード会社3社は、2024年にSunoを著作権侵害で提訴した。
AIの台頭は大手音楽会社だけでなく、音楽配信サービスの株価も圧迫している。スポティファイ・テクノロジーは先月、新たなAI機能を発表したことを受けて株価が上昇した。
レコード会社が著作権保護に力を入れる一方で、所属アーティスト自身がAIツールを楽曲制作に利用するケースも増えている。Sunoは当初、誰でも数分で曲を作れる「面白いアプリ」として始まったが、現在では多くの音楽プロフェッショナルも利用するツールに進化した。
同社はWMGと和解し、楽曲利用に関するライセンス契約も締結した。この提携の下でさまざまな製品のテストを開始しており、今後数カ月以内にWMGの楽曲を利用・参照できる新サービスを投入する予定だ。シュルマン氏によると、アーティストやプロデューサー、ソングライター、業界幹部らがSunoに出資しているという。具体的な名前は明かさなかった。
原題:AI Music Startup Suno Raises Capital at $5.4 Billion Valuation(抜粋)
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