「縮小均衡」の罠から抜け出すためのラストチャンス
サナエノミクスは、日本が「縮小均衡」の罠から抜け出すためのラストチャンスとも言える大胆な試みである。財政の持続可能性確保と、積極的な投資による経済成長。この一見矛盾するように見える二つの課題を、高市首相は「成長による解決」という道で一本化しようとしている。
市場の信認を維持しつつ、いかに迅速に「国民の手取り」を増やすか。そして、その資金をいかに次世代の飯の種へと流し込めるか。この舵取りが成功したとき、日本経済は長きにわたるトンネルを抜け、真の「豊かさ」を享受する新たなフェーズへと入ることになるだろう。
「骨太の方針2026」に盛り込まれる具体的な数値目標や制度設計は、そのための第一歩である。我々は、単なる政争の具としてではなく、日本の未来を左右する経済理論の壮大な実験として、この政策の推移を注視していく必要がある。
(※情報提供、記事執筆:第一ライフ資産運用経済研究所 経済調査部 首席エコノミスト 永濱 利廣)