米連邦準備制度理事会(FRB)のウォーシュ議長就任後、初めて開催される今月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合は、外国為替市場に衝撃を与え、市場で広く浸透しているキャリートレードを揺るがす恐れがあると、モルガン・スタンレーは指摘した。

今年に入り、中東情勢の緊迫化を受けて原油価格が急騰し、債券相場が世界的に下落する中でも、ドルはほぼ横ばいで推移している。こうしたドルの膠着(こうちゃく)状態は主要通貨全体の変動を抑え、キャリートレードや相対価値取引の魅力を高めている。

しかし、その構図は今月のFOMC会合で一変する可能性があると、デービッド・アダムズ氏率いるモルガン・スタンレーの為替ストラテジストチームはみている。

アダムズ氏とアンドルー・ワトラス氏、モリー・ニコリン氏、杉崎弘一氏は「6月のFOMCは、低ボラティリティー環境と市場で広く積み上がっているポジションの双方にとって、特に主要リスクとなり得るイベントだが、その重要性は十分に織り込まれていない」と3日付のリポートで記した。

その上で、今回の会合は「既存の市場シナリオを覆し、ドル相場や為替市場全般に新たな取引機会をもたらすトレンドを生み出す可能性がある」と続けた。

同ストラテジストらによると、ユーロや円、オーストラリア・ドル、ニュージーランド・ドルは、FOMC声明や新たな政策金利見通しにサプライズがあった場合、最も影響を受けやすい通貨だ。これらの通貨は米2年債利回りへの感応度が高く、市場のポジション動向やボラティリティー水準を踏まえてもリスクが大きいという。

先週には、ユーロ・ドルの1カ月物インプライドボラティリティー(IV、予想変動率)が1月以来の水準に低下したほか、円の同指標は2022年以来の低水準を付けた。

ウォーシュ議長や新たなドットプロット(FOMC参加者による金利見通し分布図)がタカ派的なシグナルを発した場合、市場のボラティリティーが高まり、キャリートレードの解消が進む可能性がある。

「一方で、FRBが金利の方向性について、引き上げよりも引き下げの可能性が高いと引き続き示唆し、市場を驚かせる可能性もある」とストラテジストらは分析。「いずれの場合も、ドルは市場が現在織り込んでいる以上に大きく反応する可能性がある」と論じた。

原題:Warsh’s Fed Debut Is a Key Risk for FX, Morgan Stanley Says (1)(抜粋)

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