28日の原油先物相場は方向感に乏しい展開。米国とイランが停戦延長と核開発を巡る追加協議の開始で暫定合意に達したとの報道を消化する中で、プラス圏とマイナス圏を行き来する不安定な値動きとなった。市場では3カ月に及ぶ紛争が終わりを迎えるとの期待が広がった。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は、前日比22セント(0.3%)高の1バレル=88.90ドルで終了。一方、北海ブレント先物7月限は58セント(0.6%)安の93.71ドルで終えた。

ニュースサイトのアクシオスはこれに先立ち、米国とイランの覚書には60日間の停戦延長が盛り込まれており、ホルムズ海峡の航行をイランへの通航料支払いなしで「制限しない」と明記される見通しだと報じた。

停戦延長で合意に達すれば外交面で大きな成果となり、エネルギー海上輸送の要衝であるホルムズ海峡の正常化に向けた動きが前進する可能性がある。

そうなれば、世界的な燃料価格急騰を招いてきた数カ月間にわたるエネルギー危機の緩和につながりそうだ。ただ、たとえ暫定合意に達したとしても、最終的な和平合意にはイラン核開発計画を巡る集中的な追加協議が必要になる。

TDセキュリティーズのシニア商品ストラテジスト、ライアン・マッケイ氏は、「合意成立の可能性については依然として非常に慎重に見ている。実際に合意が確認されるか、また海峡の通航が増加するかを見極めたい」と述べた。その上で、「合意が実際に成立するかどうかにかかわらず、在庫減少は数カ月続く見通しだ」と指摘した。

アクシオスによると、暫定合意の下でイランは30日以内にホルムズ海峡から全ての機雷を撤去する必要がある。ただ、イランがこの合意案に署名する用意があるかは、まだ確認できていないという。

イラン学生通信(ISNA)によると、同国議会の国家安全保障委員会メンバーであるファダ・ホセイン・マレキ議員は、協議が「大きな進展」を見せており、米国はイラン側の要求の大半を受け入れたと述べた。

同議員は、イラン側が提示した条件の一部については、なお米国側の判断が必要だとしている。詳細には言及していない。

一方、ベッセント米財務長官は、トランプ氏が掲げる3つの「レッドライン(越えてはならない一線)」への対処は、いかなる合意においても不可欠な条件だと強調した。具体的には、ホルムズ海峡の再開、イランによる高濃縮ウラン引き渡し、核開発計画の終了を挙げた。

エネルギー省が発表した週間統計によると、先週の原油在庫は330万バレル減少した。メモリアルデーの連休を前にドライバーが運転を控える兆候は見られなかった。ただ、米イラン暫定合意のニュースで、この統計の市場への影響は限定的だった。

原題:Oil Prices Steady as Traders Assess US-Iran Truce Reports(抜粋)

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