(ブルームバーグ):米メタ・プラットフォームズは、数千人の従業員を対象に削減通知を出し始めた。人工知能(AI)への巨額投資を進める中、効率化やコスト削減を目指した再編の一環となる。
社内文書によると、アジア地域の一部従業員には20日午前に通知メールが送られ、米従業員にも各タイムゾーンの早朝に通知される見通しだ。メタは世界全体で約8000人を削減する計画で、従業員には在宅勤務が推奨されている。
事情に詳しい複数の関係者によれば、今回の人員削減では特にエンジニアリング、プロダクト両部門が影響を受ける見込みで、年内に追加削減が実施される可能性もある。非公開情報だとして匿名を条件に関係者が話した。
18日に配布されたメモでは、約7000人の従業員がAI関連の新設チームに配置転換されたことも明らかになった。対象にはAI製品やAIエージェントに関わるチームが含まれる。メタは今年、AI関連の設備投資として1000億ドルを大きく超える資金の投入を約束している。配置転換と人員削減前の3月末時点の従業員数は8万人弱だった。
メタの人事担当責任者、ジャネル・ゲイル氏はブルームバーグ・ニュースが確認した文書で、「多くの組織は現在、よりフラットな組織構造と、小規模なポッド・コホート型チームによって、より迅速かつ主体的に動ける段階に入っている」と説明。「これによって生産性が向上し、仕事のやりがいも高まると考えている」との見方を示した。
AIに経営資源投入
マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)はAIを最優先課題と位置付け、アルファベット傘下グーグルやOpenAIに対抗するため、あらゆる経営資源を投入している。その結果、メタでは人員構成や業務運営に変化が生じている。
同社はここ数年、効率化推進を目的に断続的な人員削減を実施してきた。ザッカーバーグ氏は、エンジニアに対しAIエージェントを活用してコーディングなどを支援させるよう促しているほか、技術改善のために従業員デバイスを追跡する計画も示している。また、自らのCEO業務の一部である従業員フィードバック収集を処理するため、自身でAIアシスタントを開発している。
こうした変化は従業員に不満や不安をもたらしている。1000人超の従業員はザッカーバーグ氏ら経営陣宛ての請願書に署名し、AI訓練目的で従業員データを収集しないよう求めた。収集対象には、キーストロークやマウス操作、画面内容といった詳細データも含まれる。他の従業員は、解雇への不安が業務や士気に影響しているとSNSに投稿している。
メタの積極的なAI投資は投資家の懸念も招いている。投資家は巨額投資が最終的に利益につながらない可能性を不安視している。メタは今回の人員削減について、一部のAI投資コストを「相殺」するための措置と説明しているが、エバコアのアナリストは削減効果について約30億ドルにとどまると推計している。
原題:Meta Begins 8,000 Job Cuts in Efficiency Push Spurred On by AI(抜粋)
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