(ブルームバーグ):米メディア大手パラマウント・スカイダンスによる競合ワーナー・ブラザース・ディスカバリー買収を巡り、銀行団は490億ドル(約7兆7800億円)の債券売り出しを準備している。今年最も注目される案件の一つとなる。
投資家への事前の需要調査は早ければ今後数週間以内に始まる見通し。マクロ経済の変動が続く中でも、クレジット市場では資金調達環境が良好で、魅力的な条件も見込める局面にある。事情に詳しい関係者が非公開の内容だとして匿名を条件に語った。
パラマウントは、ブリッジローンと呼ばれる既存の短期債務を、ローンと債券による長期債務へ借り換えようとしており、ワーナーの買収に向けた重要な一歩となる。
パラマウントとワーナーはコメントを控えた。
数年にわたり停滞していた企業の合併・買収(M&A)が着実に回復する中、資金調達を行う企業側が主導権を握りつつある。投資先が決まっていない資金が潤沢にある状況は、借り手にとって追い風だ。資金調達を伴う買収案件が限られる中、旺盛な投資家需要が集まり、条件は借り手に一段と有利になっている。
ワーナーを巡る買収合戦を巡っては、動画配信サービスの米Netflixが今年2月、ワーナーに対する買収条件の引き上げを断念し、ワーナー買収レースから撤退することを明らかにした。これによりパラマウントによる約1100億ドルでの買収の道が開かれ、世界最大級のエンターテインメント帝国が誕生する見通しとなった。
ブリッジローンは当面の資金不足を埋める手段で、買収に向けて資金を確保する企業が一般的に利用する。通常は数週間から数カ月後に長期債務へ借り換えられ、たいていはより多くの貸し手に分散される。期間は短いが、銀行にとっては企業との関係を構築し、その後の高報酬案件の獲得につなげる機会となる。
複雑な資金調達
初期資金を提供したのは米投資会社アポロ・グローバル・マネジメントのほか、米銀のバンク・オブ・アメリカ(BofA)とシティグループだ。当初は575億ドルで、540億ドルのブリッジローン枠と35億ドルの1年間のリボルビング・クレジット・ファシリティー(回転信用枠)で構成されていた。
その後4月に、BofAとシティがブリッジローンの一部を18行から成る銀行団に売却。この時点で規模は490億ドルに縮小していた。
現在、銀行団はこのブリッジローンを投資適格債とジャンク債の組み合わせに置き換え、バランスシート上のリスクを軽減しようとしている。
アポロとシティはコメントを控え、BofAにコメントを求めたが返答はなかった。
通常、借り手は高格付け債かレバレッジドファイナンスのいずれかを選ぶ。両方を組み合わせるのはまれで、今回は複雑な融資案件となり、幅広い投資家に売却される見通しだ。
ブルームバーグがこれまでに報じたところでは、今回の債券売り出しの大半は担保付き投資適格債で構成され、アポロの保険事業が大部分を引き受ける見通しだ。
これとは別に、事情に詳しい関係者によると、米銀行団は19日、ワーナー向けのレバレッジドローンの売却を開始した。調達資金は、JPモルガンが提供した一時的な信用枠の借り換えに充てる予定だ。
原題:Bankers Ready Paramount’s $49 Billion Debt Sale for Warner Bros.(抜粋)
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