米マーケットメーカー(値付け業者)大手シタデル・セキュリティーズのスコット・ルブナー氏は、ここ数週間に米国株を過去最高値圏に押し上げてきた力強い資金流入が巻き戻されるリスクが高まっているとの見方を示した。

S&P500種株価指数は3月の安値から約16%上昇した。好調な企業業績に加え、自社株買いや個人投資家による積極的な買いが相場を支えてきた。ただ、同社で株式・株式デリバティブ戦略責任者を務めるルブナー氏は顧客向けリポートで、ファンダメンタルズ(基礎的諸条件)は依然として堅調だが、市場の過熱感を示す兆候が強まり、米国債利回りも上昇していると指摘した。

ルブナー氏は当面の市場環境について「より戦術的な慎重さが求められる局面だ」と分析。「相場上昇を後押ししてきた資金流入は一巡感が出ている。長期金利の上昇で株式市場との競争が再び強まりつつある」と述べた。

S&P500種は7週連続で上昇している。原油価格が1バレル=100ドルを超え、インフレ懸念が強まり、米連邦準備制度が利上げを迫られるとの見方が出ているものの、投資家は中東情勢の緊迫化をさほど大きな売り材料とみていない。

ルブナー氏は警戒が必要な理由を何点か挙げた。個人投資家と機関投資家の双方が株式市場に資金を振り向け、市場の混雑感が6週間前より大幅に強まっているという。

30年物米国債利回りは約3年ぶりの高水準近辺で推移しており、株式の相対的な魅力がやや薄れている。

また、相場上昇の範囲が限定的で、S&P500種の上昇分の大半を一部の大型ハイテク株が担っている。ルブナー氏によると、過去30営業日で同指数を上回るパフォーマンスを示したのは、構成銘柄全体の27%にとどまった。

一方で、投資家の下落リスクへの備えが数週間前より後退しており、「市場は短期的な変動に対して耐性が低下しているように見える」と指摘した。

さらに「パッシブ運用への資金流入や自社株買い、個人投資家の参加、レバレッジ型上場投資信託(ETF)への投資はいずれも相場上昇とともに加速している。だが、こうした資金フローの勢いが鈍った場合、市場は短期的な巻き戻しに対して一段と脆弱(ぜいじゃく)になっている」と警鐘を鳴らした。

原題:Citadel Securities’ Rubner Sees Risk of Flow Unwind in US Stocks(抜粋)

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