各国中央銀行による金購入は拡大し、年末までの金価格回復を後押しする見込みだと、ゴールドマン・サックス・グループが予想した。

ゴールドマンのアナリスト、リナ・トーマス、ダーン・ストルイベン両氏は15日付のリポートで、各国中銀の購入量が2026年を通じて月平均60トンに増えるとの見通しを示した。推定購入量の算出手法を見直した結果、3月時点の12カ月移動平均購入量は50トンと、従来の29トンから上方修正された。

両氏は社内調査を引用し、中銀は「金に対する潜在的な関心が強く、最近の地政学的情勢を受け、分散投資の動きは今後強まる可能性が高い」と指摘した。詳細には触れなかった。

金は中東での戦争開始以降、軟調に推移している。エネルギー価格の上昇で世界的なインフレ圧力が高まり、中銀が金融緩和に動きにくくなるとの見方が広がっているためだ。紛争終結の見通しが立たない中、世界の債券市場では売りが膨らみ、利回りが上昇している。利息を生まない金にとっては逆風だ。

ゴールドマンによる公的部門の動向分析に先立ち、ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)も前向きな見方を示していた。WGCは1-3月(第1四半期)の中銀による金購入を244トンと推計。前四半期の208トンから増加した。

金スポット価格は18日、1オンス=4530ドル近辺で推移した。1月下旬に付けた過去最高値の5600ドル弱を下回っている。ゴールドマンは、金価格が今年末までに5400ドルに上昇するとの強気の目標を維持した。UBSグループやANZグループ・ホールディングスも最近、同様の見方を示している。

ANZは、金相場が27年半ばまでに6000ドルまで上昇するとの見通しを示した。中東紛争によるエネルギー危機が世界経済の成長を鈍化させ、各国中銀による金融緩和を促すとみている。ソニ・クマリ氏、ダニエル・ハインズ氏ら同社アナリストは15日付のリポートで、短期的には4500ドル付近がサポートとなり、下落局面では「新たなポジションを構築する好機」になるとした。

一方、ゴールドマンは短期的には慎重だ。両アナリストは、金について「民間投資家が流動性を必要とする局面では、売却対象になりやすい。例えば、金利上昇と成長期待の低下を背景に株式が売られる場合だ」と述べた。

中銀による購入量を推計するゴールドマンの手法は従来、英国の貿易統計に見られるフローを基にした仮定に一部依拠してきた。ただ、同統計が金フローの変化を「もはや十分に反映していない」可能性があるため、手法を更新したと両氏は説明した。

原題:Goldman Says Central Banks Want More Gold for Their Reserves (1)(抜粋)

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