(ブルームバーグ):フランス政府はステランティスとルノーに対し、欧州の部品メーカーを優先するよう求めている。域内の自動車メーカーが中国メーカーとの関係を深める中、雇用を守り、ノウハウを維持する狙いがある。
レスキュール経済・財務相は両社について「サプライヤーからの調達を含め、欧州優先でその役割を果たすべきだ」とし、「産業の主権には共同の戦いが必要だ」と語った。仏紙ラ・トリビューン・ディマンシュの5月17日版に掲載されたインタビューでの発言。
マクロン政権は、欧州連合(EU)が自動車産業の新たな規制策定に取り組む中、電気自動車(EV)向けに域内部品を優遇する規則を長く支持してきた。一方、中国の自動車メーカーは、EUの輸入関税や規制強化を回避するため、域内に新工場を建設したり、稼働率が低い既存工場を利用したりする動きを進めている。
ステランティスは事業の大規模な見直しの一環として、こうした動きを主導し、中国企業2社との提携に至った。このうち浙江零跑科技(リープモーター)との提携では、リープモーターがステランティスのスペイン工場を利用できるようになる。両社は共同調達も拡大すると表明した。
フランスの労働組合「労働者の力(FO)」は今月初め、欧州にあるステランティスの他の低稼働工場についても、さらなる提携案件が見込まれると指摘。エンジニアリング職や域内サプライチェーンに潜在的なリスクがあるとした。
ステランティスよりも小規模なルノーには、仏政府が15%出資している。同社はこれまで、中国の競合他社に提供できる余剰生産能力はないとしていた。それでもフランソワ・プロボ最高経営責任者(CEO)率いる同社は、生産コストを抑えるため、中国サプライヤーへの依存を強めている。
ドイツ自動車大手フォルクスワーゲンも、生産コストの削減と複雑さの低減に取り組む中で、自社の欧州工場を中国メーカーと共同活用する可能性に前向きな姿勢を示している。中国の比亜迪(BYD)や小鵬などが域内工場に関心を示している。
レスキュール氏は17日、フランス3テレビのインタビューで、脱炭素化がフランスで雇用を創出し続けることに楽観的な見方を示した。
同氏は「フランスでは工場の再稼働が進んでいる」とし、「望むほどのペースではないかもしれないが、前進している」と述べた。
原題:France Wants Stellantis, Renault to Favor Local Car Suppliers(抜粋)
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