(ブルームバーグ):インフレ懸念を背景とする金利上昇を受け、日本市場では10年国債利回りが東証株価指数(TOPIX)の配当利回りを明確に上回ってきた。債券のボラティリティーが収まれば、株式から債券へ資金がシフトする可能性がある。
10年債利回りは18日に一時2.80%と1996年以来の高水準を付けた。ブルームバーグのデータによると、複利利回りは2.75%となり、TOPIXの平均予想配当利回り(2.30%)と比べた上振れ幅は日本銀行の金融政策引き締め局面にあった2007年以来の大きさとなった。
イラン情勢の長期化観測を背景に原油価格が高止まりし、世界的にインフレ懸念が強まっている。株式市場では人工知能(AI)需要拡大への期待を支えに、本来は金利上昇が逆風となりやすいグロース(成長)株が相場をけん引してきた。それだけに、足元の金利上昇が株式市場に及ぼす影響への警戒感が高まりやすくなっている。
T&Dアセットマネジメントの浪岡宏チーフストラテジストは、利回りの観点からは株式よりも債券の魅力が高まってきていると指摘。原油価格が落ち着いてきたタイミングなどでは、債券に一定程度の買いが入りやすくなる可能性があると話す。
一方、三井住友DSアセットマネジメントの武内荘平シニアファンドマネジャーは、インフレで名目経済が拡大する局面に入り、相対的に債券よりも株式の優位性が高まりやすいとみる。金利水準が米国並みに切り上がらない限りは、債券への資金シフトは限られると予想した。
--取材協力:近藤雅岐.
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