(ブルームバーグ):中東での戦争によるエネルギー供給逼迫(ひっぱく)懸念で、世界的に工業製品の備蓄を急ぐ動きが、18日からの週に発表される各国の景況感調査に再び影を落としそうだ。
主要国の製造業活動を測る5月の購買担当者指数(PMI)は、ブルームバーグがアナリスト予想を集計したものでは、いずれも拡大が続く見通し。多くは前倒しの在庫積み増しが下支えする形となっている。
焦点となるのは、こうした状況が景気の底堅さを示すものなのか、それともエネルギーショックが本格化する前に製造業が息切れ寸前で操業を続けていることを示すに過ぎないのか、という点だ。

各国のPMIはさらに、コスト上昇の影響が主要経済にどう及んでいるかを明らかにするとともに、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)期に生産の不安定さが引き起こしたような供給網の目詰まりの兆しを示す可能性もある。
これらの影響は今後インフレ圧力を助長する可能性があり、主に6月に予定されている次回の金融政策決定会合を前に各国中央銀行が注視している。
PMIの速報値は、中東紛争の地理的な影響の偏りについても新たな手がかりを示すことになる。4月の数値は、ドイツを含むユーロ圏経済が最も打撃を受けた一方、英国や日本などは比較的安定していることがうかがえた。
これらの調査により、投資家は戦争の影響をさらに見極めることが可能となる。
先週はトランプ米大統領が中国の習近平国家主席との首脳会談で関係再構築を試みた。会談の具体的な成果は明らかになりつつある段階だが、18-19日には主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議がパリで開かれる。拡大する不均衡やレアアース(希土類)が主要議題となる見通しだ。世界経済成長の健全性や債券市場の脆弱(ぜいじゃく)性についても協議する。
21日には欧州委員会が最新の経済見通しを発表し、その翌日には注目度の高いドイツのIfo企業景況感指数が、フランスの同様の指標とともに発表される。
FOMC議事要旨
20日には米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(4月28-29日開催分)が公表される。
連邦準備制度の内部では、FOMC声明から緩和バイアスを取り除き、次の一手が利下げと利上げのいずれにもなり得ることを示唆する中立的な文言に切り替えるべきだとするグループが拡大している。4月の会合では、3人のメンバーが声明に緩和バイアスを含めることを支持しなかった。議事要旨では、投票権を持たないメンバーのうちの何人が同様の意見を持っているのか、手がかりを提供するだろう。
22日には5月の米ミシガン大学の消費者マインド指数の確報値が発表される。速報値は過去最低を記録した。インフレ期待は3月に急上昇した後、低下した。いずれかの数値に変化があれば、4月の小売売上高が予想を上回る伸びを示した後の個人消費の見通しや、金利の先行きを左右することになる。米金融当局者は、足元の物価上昇圧力が長期的なインフレ期待に波及することを警戒しているためだ。
投資家はさらに、ケビン・ウォーシュ氏の連邦準備制度理事会(FRB)議長就任にも注目している。FRBは15日、ウォーシュ氏が正式に就任宣誓するまでの間、同日で議長任期満了となるジェローム・パウエル氏を臨時の議長に指名した。
原題:Global Inventory Race Intensifies in Shadow of War: Eco Week(抜粋)
--取材協力:Beril Akman、Laura Dhillon Kane、Mark Evans、Matthew Boesler、Monique Vanek、Piotr Skolimowski、Robert Jameson、Swati Pandey.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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