ニューヨーク原油相場は急伸し、週間ベースでもプラス圏で推移している。事実上のホルムズ海峡閉鎖が続き、戦争終結に向けて何らかの動きは見られない。世界エネルギー市場の混乱は長期化が警戒されている。

北海ブレント原油先物は1バレル=108ドル近辺で推移し、週間では約7%上昇している。ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は、104ドル近辺で取引されている。

中国を訪問したトランプ米大統領は14日、FOXニュースとのインタビューで、米国はホルムズ海峡の開放を「全く」必要としていないと述べていた。しかし習近平国家主席との2日目の会談では、ホルムズ海峡の封鎖解除が望ましいとの見解に転じている。

トランプ氏は中国を離れる際、11週間続く戦争の終結に向けた取り組みに言及し、米国はイランに高濃縮ウランの引き渡しを求める可能性があり、ウラン濃縮を巡っては、イラン政府による保証が必要になるとの認識を示した。さらに、イランと取引する中国の石油会社に対する米国の制裁についても、習主席と協議したと語った。

2日目の米中首脳会談について、ホワイトハウス当局者はイラン戦争とホルムズ海峡についての協議があったと明らかにした。トランプ氏はFOXニュースとのインタビューで、習主席が米国産原油の購入拡大に前向きな姿勢を示していると述べた。中国側が公表した会談概要には、協議事項としてエネルギー問題は含まれていなかった。

国際エネルギー機関(IEA)は今週発表した石油市場報告で「世界の原油在庫がすでに記録的なペースで取り崩されている」と指摘。紛争が来月終結したとしても、市場は10月まで「深刻な供給不足」の状態が続くと分析した。

この日は世界的に国債が売られ、日本や英国では利回りが数十年ぶりの高水準を付けた。石油流通の正常化が遅れ、インフレを押し上げるとの見方が強まっている。

動画:トランプ米大統領は北京で、中国の習近平国家主席と2日目の会談に臨んだ

BOKファイナンシャル・セキュリティーズのトレーディング担当シニアバイスプレジデント、デニス・キスラー氏は「目先の価格見通しとしては、強気優勢が続くとみるのが自然だ。原油と石油製品の在庫は今後も取り崩しが続くだろう」と話す。イラン戦争終結の見通しについて「現行の和平案には大きな隔たりがあるため、緊張緩和より緊張激化の可能性の方が高い」と述べた。

紛争が始まって以降、ペルシャ湾を出たタンカーはわずかにとどまっており、天然ガスを含む重要なエネルギー供給が滞っている。ただ大手商社のビトル・グループは、ホルムズ海峡の外に搬出されたイラク産原油を顧客に提供しており、一部の貨物が同地域からの搬出に成功した可能性を示している。

ホルムズ海峡を通じて輸送される原油と燃料は、1-3月期(第1四半期)に日量600万バレル近く減少したと、米エネルギー情報局(EIA)が報告した。

原題:Oil Heads for Weekly Gain With Iran War Negotiations at Impasse(抜粋)

--取材協力:Charles Gorrivan.

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.