(ブルームバーグ):ニューヨーク連銀総裁を務めた経歴を持つビル・ダドリー氏は、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が議長としての任期終了後も理事としてとどまるとの決断を下したことについて、トランプ大統領による利下げ圧力を受ける中で、ウォール街や国民の安心感につながるとの見通しを示した。
ブルームバーグ・オピニオンのコラムニストでもあるダドリー氏は、ブルームバーグテレビジョンで、「FRBは大統領から容赦ない攻撃を受けており、その独立性が疑問視されている」と発言。「パウエル氏はFRBにとどまることで、FRBの独立性に対する認識をむしろ強めると考えている。本人にその意思があるなら、とどまるのは理にかなっている」と語った。
理事としての任期が2028年まで続くパウエル氏は、5月15日に終了する議長任期後も理事会に残るという、あまり例のない道を選んでいる。FRB議長がこのような対応を取るのは数十年ぶりとなる。

トランプ大統領はパウエル氏とFRBに対する批判を強め、刑事捜査や訴訟、FRB理事の解任を示唆してきた。パウエル氏の後任に指名されたケビン・ウォーシュ氏は、大統領が求める利下げを支持する論拠を示している。しかし、短期金融市場ではもはや年内の利下げを織り込んでおらず、ダドリー氏は金融緩和の必要性について「弱い」と述べた。
低金利を正当化するウォーシュ氏の論拠には、人工知能(AI)が労働生産性の向上を通じて最終的にインフレを抑制するとの見方が含まれている。これに対しダドリー氏は、AIは当初、投資需要を生み出し、生産性向上の恩恵を得るために企業が新たな資本インフラを構築する過程でコスト上昇圧力をもたらす可能性があると反論した。
今後2年を含む期間のブレークイーブン・レートで見ると、投資家のインフレ期待はFRBの目標である2%を依然として上回っている。イラン戦争がガソリンや食品などの価格を押し上げる中、消費者がさらなる価格上昇を見込むようになるリスクもある。
ダドリー氏は、ウォーシュ氏が率いるFRBには政策の見直しを行う余地が十分にあるとの見方を示した。「見直し、改善できる点は多い。まず、量的緩和(QE)と量的引き締め(QT)に関する枠組みが必要だが、現時点ではそれがない。第2に、コミュニケーションの改善が不可欠だ」と述べた。
原題:Dudley Backs Powell Staying On After ‘Merciless’ Attacks on Fed(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.