国内アクティビストファンドのストラテジックキャピタルは20日、みずほフィナンシャルグループによるオリエントコーポレーション(オリコ)への不透明な支配関係に懸念があるとし、両社に対して適切な情報開示などを求める株主提案を行ったと発表した。

発表によると、それぞれ6月下旬に開催予定の定時株主総会に諮る。みずほFGはオリコ株を約48%保有して持ち分法適用会社としているが、実質的には親会社に当たるなどとして、みずほFGに対し、「オリコの完全子会社化またはオリコ株式の全株売却によるいびつな現状の解消を期待する」と資本関係の見直しに言及した。

東京証券取引所の市場改革を背景に、利益相反が懸念されるとして親子上場への批判が高まっている。アクティビストもたびたび問題視しており、今回の提案はこうした流れに沿ったものだ。ストラテジックCはオリコ株の11.78%を保有する第2位株主で、みずほFG株の保有比率は5%未満となっている。

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

ストラテジックCは、みずほFGが少なくとも9人連続でオリコに社長を送り込むなど同社の独立性に疑義があると主張。オリコが自社株を取得した場合、みずほFGの意思によらずに連結子会社となる可能性もあるとして、みずほFGに対して、その場合を想定したリスク加重資産(RWA)など主要指標の試算を年1回開示するよう定款の変更を求めた。

オリコには、会社側が株主総会で提案する取締役候補者について、みずほFG株式保有の有無や保有株式数を開示することとする定款変更など2件の株主提案を行った。ストラテジックCは両社の株主に対し、広く賛同を呼びかけるウェブサイトも開設した。

会社法では、持ち分が過半に満たなくても、おおむね40%以上で役員構成、契約、融資の依存度などから支配関係を認められれば子会社と判断されることがある。また、国際的な自己資本規制の下では、企業を連結化する際、親会社が算入すべきリスク資産の量が増えるため、みずほFGの自己資本比率への下押し圧力となる。

ストラテジックCの丸木強代表取締役は、ブルームバーグの取材に対し、みずほFGは「オリコとのゆがんだ関係を根本から解決すると同時に、未整理のリテール事業の方向性を明確に示すべきだ」と指摘。提携先の楽天グループは2月に金融事業の再編・強化方針を打ち出しており、みずほFGも特にカード・信販分野で独自戦略を示す時期に来ていると述べた。

ストラテジックCの丸木氏

出席株主の過半の賛成が必要な普通決議と違い、定款変更には3分の2以上の賛成が必要で可決のハードルは上がる。丸木氏は「可決だけを唯一の答えだと思っているわけではない」との認識を示す。例えばオリコの一般株主から20-30%の支持が集まれば「経営陣が現状を再考する大きな力になると思っている」と述べた。

みずほFGの広報担当は、ストラテジックCから株主提案が提出された事実を認めた上で、「当社としては内容を真摯(しんし)に受け止め、今後、取締役会で慎重に検討を進めていく」と電子メールで述べた。オリコの広報担当にコメントを求めたが、現時点で回答を得られていない。

みずほFGの株主総会に株主提案があったのは4年連続だが、昨年までの提案者は環境関連の非政府組織(NGO)などで気候変動対策の強化を求める提案のみだった。

(みずほFGのコメントを追加して更新します)

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