米アンソロピックの最新AIモデル「Mythos(ミトス)」の高度な性能を巡る不安の高まりを反映し、シンガポールの金融規制・監督当局は、サイバーセキュリティーの脆弱(ぜいじゃく)性に対応するよう銀行に強く促した。

シンガポール通貨庁(MAS、中央銀行)は、銀行を含む重要インフラ事業者の防御強化に向け、サイバーセキュリティー機関と連携し取り組んでいると明らかにした。幅広い公開には危険が大き過ぎるとアンソロピックが判断し、提供先を限定したミトスのリスクに関し、ブルームバーグの質問に回答した。

MASの報道官は、AIの進歩が「ITシステムにおけるソフトウエアの脆弱性発見と悪用を加速させる」と警告し、「金融機関はセキュリティー防御強化に一層努力し、脆弱性を積極的に特定・解消すると同時にタイムリーなセキュリティーパッチ(修正プログラム)適用を含むサイバーハイジーン(衛生)への警戒を高める必要がある」との立場を示した。

アンソロピックは、長年発見されずにきた基本ソフト(OS)やウェブブラウザーのセキュリティーホール(脆弱性)を特定できるミトスを広く公開することを見送った。これにより、サイバーセキュリティー攻撃の新たな時代が到来する可能性に懸念が広がった。

ブルームバーグの報道によると、ベッセント米財務長官とパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は今月、ウォール街の銀行トップらと緊急会合を開き、諸々のリスクや各行がシステム防衛のために講じる予防措置について協議した。

ミトスの提供を受け、検証に参加しているJPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は最近の決算説明会で、AIはサイバーリスクを悪化させる側面もあるが、防御を高めるより良い方法も提供すると述べた。

原題:Singapore Urges Banks to Fix Security Gaps Amid Mythos AI Fears(抜粋)

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