(ブルームバーグ):2月下旬に中東で戦闘が始まって以降、投資家は安全資産を選好していたが、ここにきてリスクが高めの債券に資金を振り向けている。イランと米国が停戦を延長できるとの見方に賭けている。
米銀JPモルガン・チェースによると、投資家は4月前半、投資適格債で最下層に当たる「BBB」格付けの債券を5億ドル(約790億円)買い越す一方、より高い層で73億ドルを売り越した。これにより、前者が後者より相対的に良好なパフォーマンスとなり、BBBと「A」格付け企業のスプレッド格差は、戦闘開始前以来の低水準まで縮小した。
こうしたリスクのやや高い債券が好調な理由はある。ブルームバーグ・ニュースの分析によると、BBB格付け企業の利益はA格付け企業よりアナリスト予想平均を上回る度合いが大きい。投資家は中東でより持続的な和平が交渉で実現し、投資適格の最下位に当たる企業の業績が引き続き堅調に推移すると期待している。
コロンビア・スレッドニードル・インベストメンツのグローバル債券責任者、ジーン・タヌッツォ氏は「BBB領域に一定の価値がある。発行体はバランスシートの管理を適切に行い、信用力を全般的に改善させている」と話す。

ジャンク債
投資家はジャンク債にも資金を振り向けているが、その中では格付けの高い銘柄を選好している。楽観論がやや強まる一方で、リスクはなお残るという運用者の見方がうかがえる。ジャンク債のスプレッドは戦闘開始以降で最も低い水準にある。
クラウドインフラのコアウィーブは16日、米ジャンク債市場で1週間に2回目の起債を実施した。17億5000万ドルの調達に続いて10億ドルを起債した。LSEGリッパーによると、ハイイールド債にはこの週、28億ドルの資金流入があり、昨年6月以来最大となった。
投資適格債市場では、これまでに出そろった1-3月(第1四半期)決算が、企業がエネルギーショックをしのいできたとの見方を裏付けている。最初に決算を発表した100社のうち、S&PグローバルでBBBに格付けされた企業の利益は、アナリスト平均予想を9.3%上回った。A格付け以上の企業では6.2%だった。
中東の紛争下でも企業業績の予想は引き続き上昇している。格付けの低い企業が早い段階で予想を上回る決算を示し、人工知能(AI)への期待が再び高まっている。
もっとも、BBB格付け企業への投資は過熱気味となっており、米国ではA格付けの社債とのスプレッドは戦闘前以来の低水準にある。
インパックス・アセット・マネジメントの投資適格ポートフォリオマネジャー、トニー・トルジンカ氏は「BBBは割高とみている」と語った。
ブルームバーグのBBB企業指数に占めるエネルギー企業の比率は約10%だが、A格付けでは3%にとどまる。これも前者のアウトパフォームにつながっている。
原題:Traders Ready to Put War Behind Them Dial Up Risk: Credit Weekly(抜粋)
--取材協力:Rene Ismail.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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