(ブルームバーグ):米アルミニウム最大手のアルコアは、金属価格の急騰を業績改善に十分結び付けられなかった。操業の混乱とコスト圧力が売上高と利益を押し下げた。
同社は16日、設備保全による停止やイラン戦争、オーストラリアでのサイクロンの影響により、1-3月(第1四半期)の業績がウォール街予想を下回ったと発表した。
調整後1株利益は1.40ドルと、ブルームバーグが集計したアナリスト予想平均を0.17ドル下回った。売上高も31億9000万ドル(約5100億円)と、予想に届かなかった。アルコアの株価は時間外取引で3.8%下落した。
こうした業績低迷は、米国とイスラエルによるイラン攻撃を受けたアルミ価格の急騰の中で生じている。アラブ首長国連邦(UAE)やバーレーンなどペルシャ湾岸の大規模製錬所の生産が制約を受けているためだ。
アルコアは通常、アルミ製錬に不可欠な原料であるアルミナの多くを中東の工場に販売しているが、地域の混乱で重要航路のホルムズ海峡が事実上閉鎖されており、現在は供給できない状況にある。この地域は世界のアルミ生産の約9%を占めており、中東での戦争は軽金属の世界的な供給不足を一段と悪化させる恐れがある。
一方で、同社は中東以外の供給先を求める買い手からの新規受注の流入という恩恵も受けている。

ウィリアム・オプリンガー最高経営責任者(CEO)の決算発表後の投資家向け電話会見で、「欧州と北米の双方からスポットの注文要請が来ている。営業チームは非常に忙しい状況だ」と述べた。
同社の出荷は主に北米における在庫の「先行的」な再配置と取引減少により、前四半期から減少した。アルミナ事業もボーキサイトの生産・出荷減少で低調だった。
オプリンガー氏は「ホルムズ海峡の閉鎖を含む中東紛争に関連した混乱により、エネルギー費や輸送費が上昇している一方、関連する需要減少が中国以外の精錬マージンを圧迫している」と述べた。
イラン戦争以前から、トランプ政権の輸入関税によりカナダからの流入が抑制され、米国のアルミ価格は上昇していた。世界指標に上乗せされる米中西部プレミアムは今年、過去最高を更新し続けている。
アルミ製錬は依然としてエネルギー集約度の高い産業プロセスの一つで、高騰する電力コストにより米国や欧州では長年にわたり生産設備の閉鎖が続いている。その結果、生産はより安価なエネルギーが利用できる地域へとシフトしている。
原題:Alcoa Disappoints Despite Soaring Aluminum Prices on Iran Crisis (抜粋)
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