(ブルームバーグ):米フォード・モーターの電気自動車(EV)部門トップが退任する。入社時にはフォードに「大きな転機」をもたらすともてはやされた幹部だが、EVと製造業務を統合する大規模な組織再編の一環として同社を去る。
ダグ・フィールド氏(61)は15日、EV・デジタル・デザイン担当最高責任者の職を退くことを明らかにした。今後はフォードやアップル、テスラでのキャリアを通じて得た知見を共有する機会を追求するとしている。フォードによれば、フィールド氏の職務はクマール・ガルホトラ最高執行責任者(COO)が引き継ぐ。
今回の動きは同社のEV事業見直しの一環。昨年12月には不振のEV事業に関連し195億ドル(約3兆円)の費用を計上した。同社は新たな組織体制について、車両の構想から量産までを一貫して担う「エンドツーエンド」のアプローチを構築するものだと説明している。
フォードは来年、3万ドルの電動ピックアップトラックを投入予定で、中国メーカーが量産している低価格で高機能のEVに対抗する狙いがある。
最高経営責任者(CEO)のジム・ファーリー氏は15日の記者との電話会見で、「この組織は、私の考えでは現代のフォードが誕生した瞬間だ」と述べた。フィールド氏のチームについて、「フォードの次の段階に進む準備ができており、ダグ自身も人生の次の段階に進む準備ができている」と語った。
フォードは2021年、アップルからフィールド氏を引き抜いた。当時この人事は同社にとって大きな成果と見なされ、EVおよび技術分野でテスラなどと競争できることを投資家に示すための重要戦略の一部だった。アップル入社前には、テスラでエンジニアリング担当上級副社長を務め、「モデル3」の開発を主導した。
ファーリー氏は、製品開発と製造業務の統合が、29年までに利払い・税引き前利益(EBIT)ベースで利益率8%という目標達成の鍵になると指摘した。昨年は3.6%だった。
同社はまた、29年までに北米で販売台数ベースの80%にあたる車種を刷新する「大規模」な改革に着手している。この中には主力のピックアップトラック「Fシリーズ」も含まれる。ファーリー氏は新型モデルについて、「今後数年間における変革の中核をなすものだ」と述べた。
フォード株はニューヨーク市場の時間外取引で、米東部時間午後4時40分(日本時間16日午前5時40分)時点で前日比1.3%安を付けた。今年に入ってから約3%下落している。
原題:Ford’s Top EV Executive Departs in Sweeping Reorganization (1)(抜粋)
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