(ブルームバーグ):半導体の受託生産大手、台湾積体電路製造(TSMC)は16日、2026年の売上高見通しを引き上げた。イラン戦争による景気への影響が懸念されるものの、人工知能(AI)向け半導体需要が底堅いことを示した。
米エヌビディアやアップルを主要顧客に持つTSMCは26年の売上高について、30%超の伸びを見込んでいる。従来は30%近い伸び率になると説明していた。通年の設備投資に関しては、最大560億米ドル(約8兆8900億円)とする従来予想レンジの上限近くとなる見込みで、経済の先行きに対する自信を示した。
また、4-6月(第2四半期)の売上高は390億-402億米ドルとなる見通し。市場予想は381億1000万米ドルだった。
1-3月(第1四半期)の純利益は58%増の5725億台湾ドル(約2兆8800億円)。アナリスト予想平均は5424億台湾ドルだった。イラン戦争開始以降の少なくとも数週間、AI投資は抑制されていないことを示唆した。
中東危機の長期化が電力消費の大きいAIデータセンターやスマートフォン「iPhone」などの需要を冷やすのではないかとの懸念はあるが、今回の決算がこれを和らげる可能性がある。
ただ、TSMC経営陣は16日、イラン戦争が最終的に利益面を圧迫する恐れがあると警告し、不透明感に言及した。今回の紛争は世界の海上輸送ルートやエネルギー価格に圧力をかけており、投資家はその影響がテクノロジー大手の投資計画に波及するか見極めようとしている。

アルファベットやアマゾン・ドット・コム、メタ・プラットフォームズ、マイクロソフトが今年、AI関連に計6500億米ドルを投じる計画を掲げているにもかかわらず、TSMCや米エヌビディアなど同社の主要顧客が現在のペースで成長し続けることができるか懐疑的な見方も広がっている。投資家は拡大するAI支出の持続性について確証を求めている。
また、中東危機の長期化で、ヘリウムなど半導体生産に不可欠な部材やガスの供給が混乱する恐れがあるとの見方もある。さらに、ASMLホールディングなど半導体製造装置メーカーが先端機器の需要に十分応えられない場合、設備供給の制約が半導体業界の成長を抑える可能性もある。
AIを巡り半導体が国家や企業にとって戦略的な資産となる中、TSMCは半導体生産への参入を目指す新たな挑戦者にも直面している。
イーロン・マスク氏は、自社の大規模半導体製造構想「テラファブ」に向け、側近を通じて東京エレクトロンを含む世界の半導体製造装置メーカーへの接触を開始した。事情に詳しい複数の関係者が匿名を条件に明らかにした。
原題:TSMC Raises 2026 Outlook in Sign of Confidence in AI Demand(抜粋)
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--取材協力:Dong Lyu.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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