イランは一部の企業や個人に対し、限定的なインターネット接続の復旧を開始した。米国・イスラエルとの戦争に伴う全国的な通信遮断による経済的損害を軽減する狙いがあるとみられる。

デジタル権利団体ASL19によると、イランの国営通信各社は企業が申請可能な「プロ・インターネット」契約を提供。これにより、外部世界へのアクセスがわずかに回復しつつあると、複数のインターネット監視企業が指摘した。

独立系インターネット監視団体ネットブロックスの創設者アルプ・トーカー氏は、「接続はごくわずかに改善している」としつつ、「大規模な復旧には至っておらず、階層的なアクセス体制を中心に新たなインフラが構築されているという事実は、より長期にわたる通信遮断を示唆している」と述べた。

今回の措置は、国内企業がインターネット遮断により1日当たり3000万-4000万ドル(約48億-64億円)の損失を被っているとのイラン政府関係者の発言を受けたものだ。

イラン商工会議所の知識基盤経済委員会のアフシン・コラヒ委員長は、ソーシャルメディアに投稿された公聴会の録画で、間接的な損失は1日当たり約8000万ドルにも上ると指摘した。

イラン政府は、2月末に米国とイスラエルが攻撃を開始した直後にインターネット接続を遮断し、ほとんどの国民が国外と通信できない状況となった。これは1月の反政府デモ時の遮断に続く措置でもある。

今回の遮断はすでに7週目に入り、2010年代初頭の「アラブの春」以来、世界で最も長期にわたる全国規模のインターネット遮断となっている。

原題:Iran Offers Limited Internet in Rare Move to Stem War Losses(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.