(ブルームバーグ):高市早苗首相と片山さつき財務相は赤沢亮正経済産業相に対し、日本銀行の金融政策に関連した発言を控えるよう注意した。片山財務相が14日の閣議後会見で明らかにした。
片山財務相は、経産相は所管外とした上で、「具体的な手法については日銀に委ねられるべきというのが法律上の立て付けだ。そういう発言は普段はあまりしないものだ」と強調。高市首相と自身から13日の経済諮問会議で関連発言を控えるよう伝えたという。
赤沢経産相は12日のNHK番組で、物価高対策としてガソリン補助金などを長々と続ける考えはないとした上で、輸入物価の上昇を抑える手段として円安是正に向けた金融政策も選択肢との見解を示していた。

日銀は27、28日に金融政策決定会合を開く。中東の緊張が続き、金融市場が神経質な動きを見せる中、利上げを促すような閣僚の発言に、首相や財務相がそろって苦言を呈した格好だ。
片山財務相は自らも物価高対策としての金融政策の効果について問われ、「担当閣僚なので金融政策についてどうだということはますます申し上げられない」と述べるにとどめた。
番組では、第一ライフ資産運用経済研究所の熊野英生首席エコノミストが、4月の日銀会合で、「円安から円高に10%、15%ぐらい引き下げるような政策をすれば食料品の部分まで広範囲に物価抑制ができる」と主張した。
これに対し赤沢氏は、「かなり低い状態」にある実質金利が経済に及ぼす影響を見ながら、熊野氏が主張するような「方向でものを考えていくことは一つの選択肢としてはあり得る」と話していた。
首相らの指摘を受けた14日の閣議後会見では一転、赤沢氏は「金融政策の具体的な手法については日銀に委ねられるべきと考えている」などと政府の公式見解を述べるにとどめた。
植田和男日銀総裁は、13日の信託大会で代読されたあいさつで、金融政策運営に関し、中東情勢はなお不透明な状況にあるとし、改めて慎重に見極めて判断する考えを示した。利上げの方向性を明確にしなかったことから、金利スワップ市場の4月の利上げ予想は30%台前半に下がった。
片山財務相は、10年国債利回りが13日に一時2.49%と1997年以来の高水準を付けたことについては、「国債管理政策は市場参加者との丁寧な対話に尽きる。入札も平常通りにやる見込みだ」と述べた。
片山財務相は、15日から米ワシントンで開かれる主要7カ国(G7)や20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議など一連の国際会議に出席する。各国の代表は中東情勢を踏まえた市場動向の点検に加え、経済に与える影響を精査する。
これに関連し、「中東情勢など世界経済の不確実性が高まっている。各国の財務相と関係構築を行いながら、世界経済・金融の諸課題を議論し、事態の沈静化に少しでも近づくよう努力をしたい」と意欲を示した。
(赤沢氏の14日の発言を追加して更新します)
--取材協力:伊藤小巻、野原良明.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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