(ブルームバーグ):経済財政諮問会議の民間議員は、高市早苗政権が強い経済実現の柱に据える危機管理・成長投資のうち、経済安全保障上重要な投資を財政健全化指標の対象から外して管理するよう提案した。複数年度での財源確保を前提とする。
13日に開いた同会議で示した。提案には、危機管理・成長投資は「新たな投資枠」として管理し、規模は債務残高対国内総生産(GDP)比が安定的に低下する範囲と明記した。そのうち、経済安保上特に重要な分野の投資などについては、「複数年度で財源を確保した上で、別枠で管理」するとした。
高市首相は、経済成長の実現に向けた積極財政方針の下、「政府の予算の作り方を根本から改める」ことを掲げている。衆院選後の施政方針演説では、危機管理・成長投資は、同比率の引き下げにもつながるよう、「予算上、多年度で別枠で管理する仕組みを導入する」との考えを示していた。今回の民間議員提案は、別枠管理の仕組みの具体案を示したものだ。
別枠管理については、現在も東日本大震災の復旧・復興対策やグリーントランスフォーメーション(GX)対策、人工知能(AI)・半導体支援の経費は、財源を確保した上で財政指標から除いている。
提案では財政目標について、債務残高対GDP比の安定的な低下を「中核目標」とすることも明記した。小泉純一郎首相以降、歴代政権が財政目標として掲げてきたプライマリーバランス(PB)は「債務残高対GDP比の低下に向けて確認する」とした。
経済政策の司令塔である経済財政諮問会議では、第一ライフ資産運用経済研究所の永浜利広首席エコノミストや、前日本銀行副総裁の若田部昌澄早大教授、経団連の筒井義信会長が民間議員を務める。今回の提案は6月に取りまとめる今年の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」に反映される。
民間議員からの提案を踏まえ、高市首相は、骨太方針は内閣の経済財政運営を明確に示す「真に骨太な簡潔で分かりやすく、メッセージ性のある内容」となるよう、城内実経済財政担当相に指示した。
城内氏は会議終了後の会見で、債務残高対GDP比の「安定的な低下」の意味を問われ、「成長率を高め、金利などの市場動向を注視し、成長率や金利の不確実性を織り込むことが重要だ」と説明。債務残高についてはさまざまな定義があるとした上で、「それぞれの指標の特徴を踏まえながら多角的に議論する」と述べた。
経団連は同日発表した提言で、財政健全化目標について、諸外国と比べて極めて高水準にある債務残高対GDP比の引き下げが重要だと指摘。PBは「3年程度といった複数年度の平均値が均衡すること」を念頭に毎年確認することを提案した。
民間議員提案の他のポイント
- 市場の信認確保に向けては、「第三者的レビューや独立的な検証機能のあり方」を検討
- 景気後退局面や外的ショックに対しては、景気と雇用に十分配慮し必要な財政対応を確保、機械的な引き締めを避ける
- 危機対応後の財政運営は、短期的な収支合わせではなく、景気、金利、成長への影響を踏まえ持続可能な中期的な経路を意識して見直す
(7段落目以降に高市首相と城内経財相の発言内容を追加して更新しました)
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